首相東欧歴訪 戦略的に外交の幅を広げたい

2018年01月16日


http://sp.yomiuri.co.jp/editorial/20180115-OYT1T50130.html


6年目となる長期政権のメリットを生かし、日本外交の幅を広げることが重要だ。戦略的な観点から、大国以外とも重層的な関係を築きたい。

 安倍首相がバルト3国と、ブルガリアセルビアルーマニアの東欧3か国を歴訪している。いずれも歴代首相で初の訪問だ。

 首相はリトアニアのスクバルネリス首相との会談で、北朝鮮弾道ミサイルの長射程化を指摘し、「欧州全体にとって脅威だ」と強調した。両首脳は、北朝鮮への圧力を強化することで一致した。

 6か国は、エストニアを除いて北朝鮮との国交を有する。北朝鮮制裁の抜け穴を塞ぎ、実効性を高めるために、各国と認識を共有しておく意味は小さくない。

 エストニアラトビアを含むバルト3国は、欧州連合(EU)とロシアを結ぶ海上物流の拠点であり、経済的な潜在力が大きい。首相と3首脳は、包括的な「日バルト協力対話」の新設で合意した。肉付けを急いでもらいたい。

 2012年の第2次政権発足以降、安倍首相が歴代初の訪問国は21か国にも上る。「地球儀を俯瞰ふかんする外交」を掲げ、東欧やアフリカ、中南米などにも、きめ細かく目配りしている。

 長期政権でこそ可能な首脳外交だ。大戦中のビザ発給で多数のユダヤ系避難民を救った杉原千畝氏を敬愛するリトアニアなど、親日的な小国は多い。継続的な協力関係の拡大が日本の国益となる。

 今年前半のEU議長国は、ブルガリアが務める。ボリソフ首相との首脳会談では、昨年12月に交渉が妥結した日EU経済連携協定(EPA)の早期署名に向け、ともに努力することを確認した。

 今回は、民間企業約30社の代表が同行し、現地への進出などを協議している。首相訪問を機に、政治、経済両面で関係を深めることが、双方にとって有意義だ。

 警戒せねばならないのは、中国が中・東欧地域で影響力を着々と強めていることである。

 巨大経済圏構想「一帯一路」を進めるため、中・東欧16か国との首脳会議(16プラス1)を定期開催している。昨年は、李克強首相がハンガリーを訪れ、会議について「欧州における『一帯一路』実現のジャンプ台だ」と訴えた。

 中国によるインフラ投資や経済支援の拡大が、排他的で、中国のみの利益につながるものであってはなるまい。互恵的で、欧州の安定に資するものとなるよう、日本は、西欧諸国とも連携し、積極的に関与することが大切である。







【感想】



長期安定政権だからこそ、地球儀を俯瞰する外交が可能となる。安倍総理には、まだまだ頑張っていただきたい。





by ロード





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