政権基盤が弱くなると外交力は失墜…腹黒い独裁政権に付け込まれるな

湯浅博の世界読解


http://www.sankei.com/smp/world/news/180404/wor1804040013-s1.html


アジア太平洋を動かす外交プレーヤーは、おおむね独裁政権か、独善的な指導者に率いられるようになった。逆らう者があれば命を奪う北朝鮮型や、汚職・腐敗の名目で失脚させる中国型もある。英南部で起きた元ロシア情報員の暗殺未遂事件の場合のように、裏切り者を許さないロシア型は陰湿である。

彼ら独裁者の外交は、第1に政治的な国内手続きを無視して決断するから転回が早い。それまで「攻撃も辞せず」としていた北の金正恩朝鮮労働党委員長が、一転して南北首脳会談を決断し、北京への電撃訪問で中朝会談をこなし、5月の米朝会談へと目まぐるしい展開をみせる。中朝首脳会談を即決した習近平国家主席も北を必要とした。

 第2に、軍事力を背景に問答無用の攻撃を決断することがある。北は韓国の哨戒艦を撃沈し、延坪島へ砲撃したこともある。中国は第二次大戦後に中越戦争など近隣国へ10度も戦争を仕掛けており、南シナ海島嶼(とうしょ)をめぐる小競り合いを含めるとさらに増える。ロシアは多国間協定を無視してクリミア半島を併合し、ウクライナ東部になお手を出している。

 これらの独裁政権を相手に、トランプ米大統領は帽子からウサギを出すような手品ができるのか。それが可能なのは、大統領補佐官と国務長官が率いる外交官たちが、事前に小道具を用意したときだけに限る。

 ただ、トランプ外交は予測不能なだけに、中露北の独裁トリオは先読みを攪乱(かくらん)されるだろう。補佐官に就任するボルトン氏は、「悪魔の化身」と揶揄(やゆ)され、北への先制攻撃を繰り返し提言していた。国務長官に指名されたポンペオ氏は、政府高官としての経験は1年あまり務めた中央情報局(CIA)長官しかなく、金委員長の意思と能力を切り離すよう斬首作戦を示唆していた。

 彼らの存在が圧力となって、金委員長を中国に駆け込ませたのだろう。怪しげだが平和攻勢に転じたきっかけになったのは事実である。

 ところが、トランプ政権には外交手品の小道具をおぜん立てする交渉担当者がいない。ポンペオ氏の上院公聴会での承認は4月中旬になる。北と接触を続けてきたユン北朝鮮担当特別代表は3月2日に辞任し、駐韓大使は政権発足以来、空席のままだ。

元来、米国の外交戦術や軍事行動は、英雄的ではなく、物量でシステムを構築して敵を圧倒する。例外はマッカーサー元帥による朝鮮戦争の仁川上陸作戦で、北を分断する見事な戦術を成功させた。だが、彼の成功はその1回だけで、補給を考えずに中国国境まで進撃して中国軍の介入を招いてしまう。

逆に、欧州戦線のアイゼンハワー司令官は、派手な作戦はなく、収支勘定から敵を圧倒する戦力を構築する。やがてマッカーサーは解任され、アイゼンハワーが逆に大統領の座にまで上り詰めたのは、それが米国人にマッチしているからだ。

 トランプ大統領は、独善的なマッカーサータイプで、対外政策は独裁者の外交に似て、問答無用の政策を即決する。そうした過酷な荒波の中、安倍晋三政権は巧みに職務を遂行してきた。しかし、国内政争で政権の基盤が弱くなると、外交力はとたんに失墜する。周辺の腹黒い独裁政権は、そこに付け込むから要注意なのだ。(東京特派員)







【感想】

現在の国際情勢を冷戦構造の延長線上で見て、影の黒幕である国際金融資本家グローバリストの影響を見落とすと、この記事のような見立てとなってしまう。まず、中国・北朝鮮・ロシアとグローバリストとの関係を確認しておく。中国にとっては大衆から搾取する思想が共通しており、北朝鮮にとっては昨年までの後ろ盾であり、ロシアにとっては対立関係にある。ウクライナ問題をプーチン大統領の失脚を狙ってグローバリストが仕掛けた罠と見ると様相は逆転する。


また、トランプ政権に、大統領の脚を引っ張る国務省の交渉担当者が不在であっても、ボルトン氏・ポンペオ氏の名前を挙げるだけで事は進むので、むしろ問題は少ない。


それから、マッカーサー元帥とトランプ大統領は、神が準備した人物と言う共通点を持つ。マッカーサー元帥は仁川上陸作戦から興南を解放し再臨主の命を救う大貢献をした。トランプ大統領は三代王権の御心に沿って職務を遂行し天一国の礎を築いている。


最後に、安倍政権は、森友文書の国内政争で政権の基盤が弱くなってはいない。国賊野党と偏向報道で火のないところに煙を立てられただけであり、外交力は失墜していない。良識ある者が安倍政権への支持を訴え続ければ、森友文書危機は乗り越えられる。





by ロード




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