米、報復に対抗 対中制裁１０兆円追加 高関税拡大の検討指示

2018.4.6

【ワシントン＝塩原永久】トランプ米大統領は５日、中国の知的財産侵害に対する制裁措置について、関税対象額を１０００億ドル（約１０兆７千億円）積み増す検討をするはさよう通商代表部（ＵＳＴＲ）に命じた。トランプ大統領が追加制裁検討を指示したことについて中国国営通信の新華社は６日「国際貿易ルーさ
ルに対する重大な違反だ」と厳しく批判。“貿易戦争”の恐れが一段と強まってきた。

トランプ氏は５日の声明で「中国は不正をただすことなく、米国の農家と製造業に損害を与える選択をした」と指摘。制裁に対抗するは方針の中国を非難した。
か
　トランプ米政権は３日、通商法３０１条に基づいて約１３００品目にのぼる中国製品に２５％の追加関税を課す制裁案を公表した。これに対し中国政府は４日、米国からの１０６品目の輸入品に２５％の関税を課す報復措置を発表し、米中間の緊張が高まっていた。
し
　トランプ政権としては、対中関税は「そもそも中国が知財侵害を改めようとしないことに対する制裁」（ＵＳＴＲ高官）との位置づけ。米政権は、即座に米国製品への関税措置で応酬した中国は「米国を恫喝（どうかつ）している」と反発していた。

　ＵＳＴＲによると、検討が指示された関税対象の中国製品については、３日公表の関税対象製品リストの原案と同様に、約２カ月間の意見公募などの手続きを経るという。手続き完了までは「関税は発効しない」が、２国間の対立がさらに先鋭化するのは必至だ。

【感想】

互いにノーガードで打ち合う壮絶な様相を呈してきた。ダメージは中国の方が大きいが、痛みを国民に押し付けても文句を言わせない独裁体制なので先行き不透明なところもある。経済指標すら強権的に操作できる国だから、実体経済が好調なのか不調なのか正確には把握できない。アメリカは中国がアメリカの覇権に挑戦することを許さないので、中国の軍事力を弱体化させるため、基盤となる中国経済を締め上げようとしている。

そして、米中貿易戦争で中国が苦境に立った時、米中軍事戦争だけは避けたい習近平が局面打開を図るため、舎弟となった金正恩をけしかけて挑発させる展開となる不安がある。これを予防するため、事実上、降伏して米朝首脳会談を求めた北朝鮮の核ボタンを国際管理体制で即刻取り上げた後に、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化（CVID）を進めれば良い。米中貿易戦争で中国が根を上げるのは今秋から年末頃になると見ている。

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