1カ月後に米朝 厳しい現状認識が必要だ

主張

http://www.sankei.com/smp/column/news/180512/clm1805120002-s1.html


史上初となる米朝首脳会談の日程と開催場所が決まった。

第三国のシンガポールが会場に選ばれた。中立的な場所であり、トランプ米大統領金正恩朝鮮労働党委員長が、意味のある協議に専念するうえでふさわしい。

 その意味とは、北朝鮮の核、化学、生物の大量破壊兵器とあらゆる弾道ミサイルの放棄にほかならない。同時に、拉致問題の解決に道を開かせることである。

 歴史的な会談に多くの関心が集まり、金正恩氏は「非核化」の言葉を多用する。だが、問題解決に向けた実質的な動きはない。

 ボルトン大統領補佐官は「政権内では誰も一切の幻想を抱いていない」と語った。正しい現状認識として共有したい。

 明確にすべきは、核放棄をいかなる方法でいつまでに実現するのかである。体制保証といった北朝鮮の要求は検討に値するのか。進展がみられた場合の、東アジアの安全保障情勢をどう描くかも問われよう。

 トランプ氏は「大成功を収める」と抱負を述べている。圧力をかけ続けてきたことを評価し、その交渉力に期待したい。もとより、成功があらかじめ約束されているわけではない。

 これからさらに1カ月、駆け引きが続くことになる。将来に禍根を残すような妥協は避けてもらわなければならない。

 金正恩氏は3月末以降、2度訪中して習近平国家主席と会談した。習氏は後見役の立場をはっきり示している。「米朝合意」が中国にとって都合のよいものとなるよう、目指しているからだ。

 その連携を日米は超えられるか。トランプ氏は日本を「ビッグプレーヤー」と呼ぶ。安倍晋三首相との間で引き続き緊密に意思疎通を図る必要がある。

 米朝首脳会談直前に、カナダで先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が開かれる。シンガポール入りする途上、トランプ氏が日本に立ち寄ることも可能だ。

 首相はぎりぎりまで機会をとらえ、完全な非核化へ妥協を許さないことを確認し、拉致問題解決への協力を求めてほしい。

 前もって公表された日程で金正恩氏が国外に出るのは異例だ。日本も緊張感を保ちながら、内外の情勢を注視すべきだ。圧力の継続は言うまでもない。







【感想】

この産経の主張は偏っていない。他の報道も、この様な論調になれば、世論も政治も確実に改善されて行く。



さて、米朝首脳会談の場所と日時が発表されたということは、水面下で大枠の合意がなされ双方による総論賛成となった。現在の駆け引きは各論かもしれないが、実質的には総論以上に重要である。過去の外交交渉資料を見直して、北朝鮮の欺瞞テクニックを1つずつ潰さなければならない。引き延ばし、すり替え、誤訳などを許さぬ水も漏らさぬ完璧な合意文書を作成して調印をする。そして、万一違反した証拠が上がれば躊躇なく軍事オプションに踏み切れる状態をキープする。それから、非核化へのロードマップを策定し、経済制裁解除の基準を明確にしておくことになる。



米朝首脳会談は、丸1日を費やして協議を行う予定であり、さらに必要が生じれば日程を延長する可能性があると報道された。ディールの達人のトランプ大統領ちゃぶ台返しを1発食らわせて金正恩をビビらせた後に、本格的な会談を行おうとしているのかもしれない。





by ロード




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