拉致問題と日本人妻帰国問題

【背景】

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/絶唱母を呼ぶ歌_鳥よ翼をかして

1981年(昭和56年)の半ばまでに朝鮮人に随伴して北朝鮮渡航した日本人は6,673人、このうち朝鮮人の妻として渡航したいわゆる日本人妻は1,828人(日本国籍は離脱していない)とされ、これらの人たちが一度も里帰りしていなかった。 日本政府は、日本に在留する朝鮮半島出身者に対して、人道的観点に立って、昭和40年(1965年)から親族訪問や墓参を目的とする北朝鮮への渡航を認め、昭和55年(1980年)中だけでも3,249人、56年は6月末までに1,500人の者に、親族訪問等を目的とする北朝鮮への渡航、いわゆる里帰りを認めたが、日本人妻が一人も里帰りできなかった。

事務レベルで朝鮮総連の幹部に対して、日本人妻の里帰りを要望したが、これに対する朝鮮総連側の応答は、

1.日本人妻は北朝鮮に入国すれば、そのときに北朝鮮の国籍を取得し、日本国籍を喪失するので、この問題はもっぱら北朝鮮の国内問題であって、日本政府からとやかく言われる筋合いのものではない。

2.日本人妻と言われる人たちはすべて幸せな生活を送っており、里帰りを希望する者は一人もいない。

しかし、日本の国籍法上、これら日本人妻が日本国籍離脱の手続をとらない限り、単に北朝鮮に上陸しただけでは日本国籍を喪失せず、日本国籍保有していることは明らかだった。また、日本人妻たちから日本の親族に送られてくる手紙などから、この人たちが望郷の念に駆られ、一日も早い里帰りの実現を熱望していることが十分にくみ取れた。このように日本が在日朝鮮人北朝鮮への訪問について人道的な配慮をしていたにもかかわらず、北朝鮮当局が、日本人妻の里帰りを認めなかった。 その後も帰国したものはごく僅かであり、他のものはどこに住んでいるのか安否の確認もできていない。





【感想】

拉致問題は、今では非核化と並んで国民的な注目を集め、国家主権侵害問題として首相案件となっている。それに比べ、日本人の人権問題でありながら、日本人妻帰国問題は、全く陽の目を見ることもなく、その問題の存在すら知られていない。


実際には、左翼的マスコミやリベラル学者によって「地上の楽園」と扇動され騙されて北朝鮮に渡ったにも関わらず、ややもすれば、自己決定した自己責任の問題とみなされ、時には、北朝鮮の国内問題への内政干渉だと屁理屈をつけられることさえある。


昨今の友好ムードに騙されることなく、この問題も風化させてはならない重要案件だと思います。


私は、33年前に映画「絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして」を観るまで、このような問題が存在するとは夢にも想いませんでした。当時、私は勘当中であり、帰省することも許されておらず、自らの境遇と共鳴するところもあって、胸に迫り、こみ上げるものがありました。




by ロード



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