打開策が尽きてきた中国に要警戒

米中貿易戦争、中国の対抗策は 不買運動や投資減…米国債売却「最後の手段」か

https://www.sankei.com/smp/world/news/180924/wor1809240027-s1.html

トランプ米政権が中国からの2000億ドル相当の輸入品に追加関税を課す制裁措置の第3弾を24日に発動したが、中国政府は米側が制裁を強化すればさらなる対抗措置をとる構えを見せる。ただ、輸入総額で米側に大きく劣る中国が同規模の追加関税を加えることは困難だ。中国側が取り得る追加関税以外の対抗策には、どのような手段があるのだろうか。

米国企業への圧迫

 最も考えられるのは、当局の権限で中国に進出する米企業に圧力を与える方法だ。最近も米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備決定に中国が反発し、用地を提供したロッテグループが標的となって、中国で多くの店舗が当局から消防法違反などの理由で営業停止処分を受けた。

 中国での事業に必要な認可・承認の遅延という措置もあり得る。

 輸出入手続きの遅延も、2012年に南シナ海の領有権問題などでフィリピンと対立した際に見られた。同国産バナナなど果物への検疫が強化され、実質的な経済制裁と受け止められた。

 相手国製品の不買運動も常套(じょうとう)手段で、前出のロッテのほか過去には日本製品不買運動の対象になった。今回、アップルなど米国を代表する大手企業の名前が中国紙で指摘されている。

 一部措置は既に始まっているもようだ。中国の米系企業でつくる米国商工会議所が今月中旬に発表した会員企業調査では、約27%の企業が過去数カ月に当局による検査が増えたと回答。通関の遅延(約23%)や許認可の遅延(約15%)もあったという。会議所のザリット会頭は「官僚主義的な企業への圧力は、中国が長年講じてきた手法だ」と米メディアに語っている。

米国への投資・旅行減

 米国で中国企業の投資を絞る動きも出ている。アリババグループの馬雲会長は今月中旬、就任前のトランプ米大統領に伝えた米国での雇用創出計画について「もはや約束を果たすことはできない」と強調した。国営新華社通信のインタビューに答えたもので、貿易戦争での米側の対応に反発して計画破棄を明言した形だ。

また、旅行の事実上の制限も過去、韓国やフィリピンなどを相手にみられた。

元安・米国債売却

 米側の反発が最も大きい報復手段は、米国債の大量売却や人民元切り下げだ。人民元切り下げについては李克強首相が19日の演説で「人民元の下落は中国にとって害の方が大きい」と否定。中国の米国債保有額は諸外国でトップで大量売却すれば米経済にとって大きな衝撃となるが、潤沢な外貨は人民元の安定にも関わるため米国債売却は「最後の手段」とみられる。

(三塚聖平)






【感想】

中国による対抗策は愚策だらけである。最も愚かな措置は、米国による2000億ドル追加関税に対抗して、600億ドルの報復関税を課したことである。米国による中国からの5000億ドル以上の全輸入品に対する更なる追加関税を課す格好の口実を与えてしまった。また、米国債の大量売却は、米国大統領令で無効化できる切り札を握られているので、脅しにも使えない。人民元切り下げも、基軸通貨がドルであり、ドル決済停止の最終手段を米国が抑えている限り有効打とはなり得ない。アリババグループの馬雲会長の発言は、当局によるヤラセの色合いが濃い。不買運動や許認可遅延は、イヤがらせ程度の影響しか与えられない。もしも、中国のトップが習近平でなく鄧小平などであれば、もっとしたたかな戦略を取ったであろうし、少なくとも報復関税といった勝ち目のない愚策は取らなかったはずである。ウイグル族弾圧で風当たりが強くなった。風前の灯にも見える中国の動向から目が離せない。





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