安部首相の意識を具体化させた改造内閣の布陣

外交重視で骨格維持、参院選にらみ党内融和も 改造内閣・党役員

http://www.sankei.com/smp/politics/news/181003/plt1810030004-s1.html

安倍晋三首相が2日に行った内閣改造・党役員人事は、外交・経済で実績を持つ「政権の土台の維持」と来年夏の参院選の勝利に向けた「党内融和」の両立を目指すものだ。首相は同日夕の記者会見で「明日の時代を切り拓(ひら)くための全員野球内閣だ」と強調した。

首相が最も重視するのが外交だ。米国第一主義を掲げ、国際社会での孤立もいとわないトランプ米大統領との関係は北朝鮮政策や通商交渉など日本の国益を左右する。麻生太郎副総理兼財務相河野太郎外相、茂木敏充経済再生相はトランプ政権との交渉を経験し、「他の人には引き継げない人材」(首相周辺)として留任させた。

 また、世耕弘成経済産業相には引き続き日露経済協力プランの交渉を担わせ、「戦後外交の総決算」と位置づける平和条約締結の呼び水にしたい考えだ。

 政権の最重要課題の拉致問題は、6月の米朝首脳会談でトランプ米大統領北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長に直接提起したことで大きな転換点を迎えている。首相は信頼する菅義偉官房長官拉致問題担当相を兼務させた。

 「国内的なことは菅長官にリーダーシップをとってもらい、外交的な交渉は外務省が先頭に立ってやっていく」

 河野氏は2日夜の記者会見で、さっそく初当選同期でもある菅氏との連携をアピール。政府一丸となって拉致問題の早期解決に取り組んでいく決意を示した。

 一方、首相は悲願の憲法改正をにらみ、党総務会長に「政権の土台中の土台」である加藤勝信厚生労働相を抜擢した。常設の最高意思決定機関の総務会は全会一致が原則で、首相に批判的な議員がメンバーになれば混乱も想定される。

 このため、首相は10月下旬召集予定の臨時国会への党改憲案提出に向け、加藤氏の調整力に期待。党憲法改正推進本部長に側近の下村博文文部科学相を起用し、党側との円滑な意思疎通も図る。

 とはいえ、9月の自民党総裁選直後の沖縄県知事選で大敗しただけに、来年夏の参院選でつまずけば政権運営は厳しさが増す。

 首相は総裁選で支援を受けた派閥の「入閣待機組」に加え、対抗馬の石破茂元幹事長率いる石破派からも入閣させるなど党内融和に配慮。二階俊博幹事長をはじめ、盟友の甘利明選挙対策委員長の指揮による挙党態勢で来年の大型選挙に挑む方針だ。(小川真由美







【感想】

今回の内閣改造を安部首相は、全員野球内閣と呼んだが、私にはメリハリ内閣と見えた。重点分野の閣僚6名は留任させ、手応えを感じている外交政策は継続させる。その他の12閣僚は新入閣組として、党内融和のバランス人事で憲法改正に向けた挙党体制を整え、参院選での必勝を期した。いい仕事をしてくれる新閣僚が出れば当たりであり、出なければハズレとなるが深刻なリスクとはならない。不測の事態もあり得る消費増税拉致問題では、経験豊富な盟友と側近で固めた。憲法改正に向けては、閣僚以上に重要ポストの総務会長と憲法改正推進本部長に側近を配置した。参院選に向けても選挙対策委員長に盟友を指名した。幹事長と政調会長は留任させて党内で波風を立てないようにした。防衛相の人事を見ると、まだ暫くは有事を想定していないように思える。外国との主戦場は軍事よりも外交・経済・貿易を想定している。いずれにしても、来年夏の参院選までの安部首相の考え方がよく分かる内閣改造となっている。





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