米国の国連大使、ヘイリー氏からパウエル氏へ

ヘイリー国連大使突然の辞任 トランプ氏と協調しつつ独自色 やまぬ大統領選への観測

http://www.sankei.com/smp/world/news/181010/wor1810100021-s1.html

【ニューヨーク=上塚真由】米国のヘイリー国連大使(46)が9日、年内での退任を表明し、米政界や国連に衝撃が広がった。トランプ大統領との関係は良好とされ、北朝鮮問題などで高い外交手腕を発揮。知名度も高い。ヘイリー氏は2020年次期大統領選への出馬は否定するも、突然の辞任表明には憶測が広がっている。

インド系米国人のヘイリー氏は、南部サウスカロライナ州知事を6年間務めた後、トランプ政権の発足に合わせて17年1月に国連大使に就任。9日の発表では辞任する理由を明確にせず「政治家は引き際を見極めることが非常に重要。すべて力を出し切った」と述べるにとどめた。

 国連外交筋は「北朝鮮問題で一切ぶれることなく、圧力強化を主張し、安保理をリードしてきた功績は大きい」と評価する。

 またトランプ政権の外交の「顔」としてイランへの強硬路線を打ち出し、イスラエル擁護の立場を鮮明にした。国際社会からは米国の孤立を招いたとの批判があがるが、国内の支持は高い。米キニピアック大学の4月の世論調査ではヘイリー氏の仕事ぶりを評価する有権者は全体の63%となり、民主党員でも55%が肯定的な見方を示した。

 トランプ氏に協調しつつも、要所で自分の信念を曲げない独自色を打ち出し、昨年12月には、トランプ氏からのセクハラ行為を告発した女性らについて「意見を聞くべきだ」と発言。ロシア問題ではトランプ氏よりも強硬な姿勢を貫いた。

 ヘイリー氏は9日、「20年(大統領選)に出ない」と次期大統領選の出馬の可能性を否定。ただ政治的野心が強いとされるヘイリー氏の辞任を「将来をにらんで、現政権と距離を置くことが得策と考えた」とみる米メディアは少なくない。

 一方、後任候補についてトランプ氏は9日、中東政策に関わった元大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)のディナ・パウエル氏ら5人に絞っていることを明らかにした。長女のイバンカ大統領補佐官については「縁故主義と批判されるため起用はしない」と否定した。





【感想】

米国の国連大使は、辞任を表明したインド系ヘイリー氏から有力候補のエジプト系パウエル氏への交代検討を始めた。2020年はトランプ大統領の再選選挙となり、野心家のヘイリー氏は2年間準備して、2020年に上院議員になり、2024年にポンペオ氏及びルビオ氏と共和党の大統領候補の座を争うことになる。トランプ政権がその時に圧倒的支持を得ていれば、民主党候補より有利な立場で本選挙に臨める。ところで、ヘイリー氏はインド太平洋戦略による中国包囲網の象徴として存在していたが、有利に戦える手応えをつかんだので、パウエル氏に交代させ最期の主戦場である中東政策重視のシンボルとして送り込むとみなすには、少々無理があるだろうか。




by ロード



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