日中首脳会談と日印首脳会談をセットで評価

訪中直後、偶然ではないモディ首相来日…安倍晋三首相、日印の絆見せつけ中国牽制

https://www.sankei.com/smp/politics/news/181029/plt1810290040-s1.html

安倍晋三首相とインドのモディ首相との12回目となる首脳会談は、安倍首相が日本の首相として7年ぶりに中国を訪問した直後に行われた。これは偶然ではない。このような窮屈な外交日程をあえて組み込むことにより、自由、民主主義、法の支配など普遍的価値を共有するインドとの絆の深さを国際社会に見せつけ、中国の拡張主義を牽制(けんせい)する狙いがあった。

 安倍首相とモディ氏との信頼関係は極めて強い。昨年9月に安倍首相が訪印した際、モディ氏は郷里のグジャラート州に招き、手厚くもてなした。安倍首相はこれに感激し、山梨県鳴沢村の自らの別荘に、モディ氏を外国首脳として初めて招くことを決めたという。帰京の際も、特急「かいじ」で肩を並べた。

政府高官は「両首相は、互いの国を訪れ、国内を飛行機や鉄道で移動する際、地図を広げて各国情勢について自然に話している。グローバルな視点を持つモディ氏との会談は常に意味がある」と語った。

 29日の首相官邸での公式会談で、安倍首相は、訪中時は言及しなかった「自由で開かれたインド太平洋戦略」を強調した。自衛隊とインド軍が食料や燃料を融通し合う「物品役務相互提供協定」(ACSA)の早期締結の確認など日印の防衛協力をより深化させた。

インド北東部のインフラ整備事業での協力強化に合意したことも大きな意味がある。この地域の国境で中印は激しくにらみ合っているからだ。

 先の訪中で安倍首相は日中通貨スワップ協定再開や第三国での日中経済協力を決めた。だが、これは「日中の戦略的接近」ではなく、単に日中関係が正常化し、元の「友好国」に戻ったにすぎない。

 インドは、オーストラリアなどとともに対中包囲網を形成する日本の「準同盟国」となりつつある。安倍首相はそれを国際社会に印象づけたかったようだ。(力武崇樹)






【感想】

日本の対中外交と対印外交を比較してくださいと言わんばかりの外交日程である。安倍首相は、自ら主唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」を訪中時は言及せず、日印首脳会談では強調した。この戦略は一帯一路を含む中国包囲網となっていることは周知であり、要のインド・モディ首相を訪中直後に自らの別荘でもてなした。これによって、モディ首相をいい気分にさせ、トランプ大統領の不安を払拭し、習近平を複雑な気持ちにさせた。日本が、どこに軸足を置いているのか、世界に向けて明確なメッセージとして送ることができた。日印の防衛協力を深化させることもでき、安倍外交の面目躍如となった。今回は、訪中だけで成果を計るのではなく、日中首脳会談と日印首脳会談をセットで評価しなければならないと思う。




by ロード



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