米中の火花散る睨み合いが3ケ月継続

米、新たな対中関税を90日延期 首脳会談 不公正取引の改善へ協議継続

https://www.sankei.com/smp/world/news/181202/wor1812020010-s1.html

ブエノスアイレス=塩原永久、黒瀬悦成】トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が1日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで会談した。焦点の貿易分野では、米国が来年1月に予定した制裁関税の引き上げを90日延期。中国による知的財産権侵害の改善策に関する協議の継続で合意した。中国は農産物を中心に米国からの輸入拡大も進める。米国は90日以内に中国の改善策に合意できなければ、関税引き上げを実施するとしている。

トランプ氏は会談後、ホワイトハウスが発表した声明の中で、「米中双方に無限の可能性をもたらす生産的な会談になった」と評価した。会談は20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて実施された。
 声明によると、米中は最大90日間、中国の知財侵害や外国企業に対する技術移転の強要、サイバー攻撃などの改善策を集中的に協議。貿易不均衡の是正に向けて、農産物やエネルギーなど、中国が購入を増やす具体的品目についても詰める。
米国は知財侵害などの不公正貿易を問題視。中国からの輸入品に高関税を課す制裁を段階的に発動し、これまで中国からの輸入額のほぼ半分に当たる計2500億ドル(約28兆円)分に関税を適用。このうち2千億ドル分の税率を来年1月から現行の10%から25%に引き上げる予定だった。
 米政府は、中国の不公正取引が改善されていないとして、さらに2670億ドル分に対する新たな制裁関税を実施する準備があると表明し、圧力をかけていた。

 外交・安全保障分野では、北朝鮮の非核化問題に関し「大きな進展があった」との認識で米中が一致したとした。また、トランプ氏と習氏が北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長と朝鮮半島の非核化実現に向けて一緒に取り組んでいくことで合意したとしている。
 トランプ氏はさらに、金氏に対する「友情と敬意」を表明したという。
 一方、トランプ政権が掲げる「インド太平洋戦略」の推進に向けた最大懸案の一つとなっている、中国による南シナ海の軍事拠点化に関しては、声明では言及はなかった。





【感想】

米中首脳会談は決裂とはならず、関税引き上げが90日間延期され様子を見ることになり、開戦前夜のような極度の緊張感から一時的に回避された。中国が正直で公正な民主主義国家に変わるとは誰も信じていない。では3ケ月間の猶予は何のためであろうか。まず、アメリカも中国の更生のために手を尽くしたとアピールするためのアリバイ作り。次に、現時点での2500億ドル輸入品に対する10%関税でも中国経済が揺らぎ始めたので、追加関税圧力をチラつかせて、中国人経営者や消費者の心理を低迷させて、経済停滞を待つ作戦。そして、南シナ海における軍事行動の準備期間。いずれにしても、トランプ政権は、中期的な戦略を確立しており、時間的猶予を3ケ月間与えても、事態が悪化することはないと見越しての判断だと思う。欺瞞と謀略の中国に有効打がなければ、3ケ月後に鉄槌が下る。




by ロード



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