デモの暴徒化によりマクロン退陣は秒読みか

マクロン仏大統領 デモに押されて改革にブレーキ

https://www.sankei.com/smp/world/news/181211/wor1812110020-s1.html

【パリ=三井美奈】フランスのマクロン大統領は10日、抗議デモに押されて低所得者向けの支援を公約し、経済改革にブレーキをかけた。財政再建を後回しにして妥協を連発したことで、大統領は欧州連合(EU)の主導役としての勢いを失い、EU改革の行方にも不安を広げている。
 マクロン氏は演説で「国民の怒りは正当だ」と述べ、最低賃金の引き上げ、低所得者への減税を公約した。4日に燃料税の引き上げ凍結を表明して以降、譲歩を重ねたことでデモ隊は勢いづいている。いったんデモが収束しても、黄色いベストをシンボルとする「マクロン打倒運動」としてくすぶるのは確実だ。

8日まで4度続いた大規模デモは、流通や小売りに打撃を与えた。フランス中銀は10日、今年第4四半期の成長率見込みを0・4%から0・2%に引き下げた。それでもインターネット上では「金持ち優遇の政策撤回」を求めるとして、15日に再びデモを行う呼びかけが広がっていた。
 マクロン改革は国家財政をスリム化し、民間投資を促す狙いがあった。マクロン氏は支持率が20%台に低迷しても、法人税引き下げや雇用改革を一気に進めた。痛みを伴う改革を早く終わらせ、5年の任期中に国民に成果を実感させるためだ。労働組合が3カ月ストを続けても屈しなかった。背景には1990年代以来、保革の歴代政権はデモで改革に頓挫したことがある。

だが、マクロン氏の姿勢は「国民無視」という反発を買い、ネットによる抗議運動の拡大につながった。今月初めの世論調査では「大統領は傲慢」という意見が72%にのぼった。
 EU経済は、南欧の債務削減が課題だった。マクロン氏は国内で改革のお手本を示すことで、EUで指導力を発揮した。その勢いで、ドイツのメルケル首相と共に、ユーロ圏の共通財政や欧州共通安保の構築を進めようとした。しかし、デモに押されて譲歩を重ねたことで、フランスはEUの財政規律に違反する可能性も出てきた。

 ドイツではメルケル氏の保守系与党を中心に、「フランスは経済を自力で立て直せない国」という不信感が広がる。北欧やオランダも仏主導のEU改革に不信感を示しており、マクロン氏への逆風は強まりそうだ。11日付仏紙フィガロは社説で「デモをなだめるための代償」に懸念を示した。






【感想】

フランスでは、マクロンが富裕層に優しく貧困層に厳しい経済政策をしたため、黄色いベストを着た労働者を中心に、デモが暴徒化し、非常事態宣言直前となった。燃料税を上げたのは、中国との電気自動車プロジェクトを盛り上げたい思惑からであり、マクロンが「ガソリンや軽油を買うお金がないなら、電気自動車に乗ればいい」とマリーアントワネットのような発言をしたため、あたかもフランス革命前夜の様相を呈した。民衆は「金持ちは、世界の滅亡を心配しているが、俺たちは月末の支払いを心配している」と嘆いた。マクロンによる小手先のデモ対策で、沈静化するか不透明な状況となっている。既にマクロン退陣の危険水位を超えている。





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