今年前半の山場は、米中閣僚級貿易協議と国家非常事態宣言

米、中国に改革の確約要求へ 30日から閣僚級貿易協議

https://www.sankei.com/smp/world/news/190126/wor1901260018-s1.html

対米通商交渉の責任者を務める中国の劉鶴副首相は今月30、31両日の日程で訪米し、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表やムニューシン財務長官らとの閣僚級貿易協議に臨む予定だ。中国は2月上旬から春節旧正月)連休を控えており、3月1日の交渉期限に向け、大きなヤマ場を迎える。

 トランプ米政権は今月30、31の両日に行う中国との閣僚級貿易協議で、中国による知的財産権の保護や経済構造改革、貿易不均衡の是正策など、幅広い分野で討議を行う方針だ。
米経済界からは中国との対立緩和を求める声もあるが、米政権内には、中国に改革の実現を確約させるべきだとする強硬姿勢も根強い。3月1日の交渉期限に向け、米中間では激しいやりとりも予想される。

 ムニューシン米財務長官は24日、「通貨問題は協議のリストに載っている。重要な問題のひとつだ」と述べて、閣僚級会合で人民元為替相場問題が議論されるとの見通しを示した。ロイター通信が報じた。
 トランプ政権は3月1日の交渉期限内に合意に至らなければ、中国からの2千億ドル(約21兆8千億円)相当の輸入品に課している追加関税10%を25%に引き上げると表明している。

米政権内では、「(合意事項の)順守が協議の成功には不可欠だ」(クドロー国家経済会議委員長)との見方から、中国が技術移転の強要や、自国企業への優遇策を確実に是正するための「仕組み」を求める声が強い。米国側は、改善策の進捗(しんちょく)を定期的にチェックする制度を合意に盛り込むよう求めているもよう。

 ロス米商務長官は24日の米CNBCテレビで、「米中は(懸案の)解決から何マイルも離れている」などと語り、双方の隔たりはなお大きいとの認識を示した。
ただ、ロイター通信によると、ムニューシン氏は対中協議が進展しているとの認識も表明。トランプ大統領も24日、「中国はとても合意したがっている」と指摘し、貿易摩擦の影響で景気が伸び悩む中国側の歩み寄りに自信も示した。
 対立が景気を下押しするとの懸念から、米商工会議所のドナヒュー会頭は記者会見で、「米中協議が進展しているのは心強い」と述べ、摩擦緩和を促した。

 米中双方に合意圧力がのしかかる中、中国は今月上旬の次官級会合で、米国からの輸入額を6年間で計1兆ドル以上増やすことを提案するなど“妥協策”を米側にアピールしている。(ワシントン 塩原永久)






【感想】

いよいよ本格的な交渉となる。トランプ政権の狙いは、知的財産権保護、技術移転強要防止、資本取引規制自由化、対中貿易赤字解消、次世代通信覇権、などである。中国がこの要求を全て呑むと、共産党体制の維持が困難となる。そこで、妥協策として、6年間で1兆ドルの追加輸入額増加を提案するが、トランプ政権が不十分と判断すれば、25%への関税引き上げとなる。正に緊迫の1ケ月である。内憂外患のトランプ大統領は、国内でも民主党と闘争中であり、政府機関閉鎖解除で一歩譲ったと見せかけて、実際は、壁建設の予算合意に至らなければ、国家非常事態宣言も辞さない構えを見せている。ディールの達人トランプ大統領が世紀の多面的ディールに挑もうとしている。このままでは、2度目の米朝首脳会談は前座にもならない。





by ロード




クリックして応援してね。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ サンクチュアリ教会へ
にほんブログ村