海洋プラゴミ対策で日本はイニシアチブを発揮せよ

海中で自然分解の新プラ素材を国際標準化 政府、ISO提案へ

https://www.sankei.com/smp/politics/news/190718/plt1907180001-s1.html

プラスチックごみによる海洋汚染問題の解決に向けて日本企業が開発を進める機能素材「海洋生分解性プラスチック」について、政府主導で製品規格の国際標準化を進めることが17日、分かった。経済産業省が近く有識者会議を立ち上げ、国際標準化機構(ISO)に提案する製品規格などを議論。数年以内のISO規格提案を目指す。海洋生分解性プラ分野の開発は日本企業が先行しており、規格発行により成長分野の競争力強化につなげる。

世界では年800万トン以上のプラごみが海へ流出しているとされ、2050年には海洋中のプラごみの重さが魚の重さを上回るとの試算もある。流出したプラごみが紫外線や波で5ミリ以下に砕かれた「マイクロプラスチック」は有害物質が含まれたり付着しやすかったりし、海の生態系への悪影響が懸念される。

 海洋生分解性プラは、海中において微生物の力で自然分解される素材で、海中浮遊する期間が短く、国内では三菱ケミカルやカネカなどが開発を進めている。ただ今後の普及には、分解技術の信頼性確保や品質の差別化が不可欠で、業界からは、海洋生分解性プラの機能や品質基準に対する“お墨付き”が必要との意見が出ていた。

 開催される有識者会議はISO規格発行に携わる産業技術総合研究所のほか、日本バイオプラスチック協会、素材企業などが参加。規格提案に向けて必要な科学的データなどの検討を進める。諸外国ではイタリアやドイツも同分野のISO規格を提案するが、政府は日本企業の技術水準を考慮した結果、新たなISO規格の提案でより差別化が図れると判断した。

 世界全体におけるプラごみの海洋流出量は、中国やインドネシアなどの新興国による流出が上位を占めているが、新興国ではごみ収集の仕組みさえ整備されていないケースも多い。日本は6月の20カ国・地域(G20)首脳会議で、経済成長を優先する新興国の事情にも配慮し、新素材の開発など技術革新によるプラごみ削減を選択肢として強調していた。

海洋生分解性プラの普及は具体的な技術革新による対策の1つだが、新興国では粗悪品の流通も懸念される。政府は技術水準が「見える化」されれば、日本企業が競争優位を発揮できるとみており、ISO規格の提案に向けた議論を急ぐとともに、分解を促進させる技術手法などの研究開発を支援することで品質の底上げも図る。








【感想】

環境汚染対策で最先端技術を活用することは日本の使命と言える。かつて環境汚染問題や排ガス規制を日本は国家一丸となって克服してきた。日本は世界屈指のノーベル化学賞大国であり、素材技術で世界をリードしている。武田邦彦氏は「海洋プラゴミはイワシの骨のような物で時間が経てば分解されるため大きな問題ではない」と言うが、2050年には海洋中のプラごみの重さが魚の重さを上回るとの試算がある程の大量のゴミとなれば対策せざるを得ない。日本の海洋プラゴミに比べて中国の海洋プラゴミの量は圧倒的に多い。分解しやすい素材を開発することも大切だが、モラルの確立とごみ収集の仕組み作りは更に喫緊の課題である。何かと、きな臭い世の中で、気候問題や海洋プラゴミ問題は人類共通の課題としてコンセンサスを得やすい。将来的な天一国創建の下地作りのためにも、ここで日本はひと肌脱ぎ、ひと踏ん張りのしどころである。





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