対中関税延期、アメリカにダメージはなく、中国にダメージを与える

トランプ氏、対中関税延期はクリスマス商戦を考慮

https://www.sankei.com/smp/economy/news/190814/ecn1908140012-s1.html

【ワシントン=塩原永久】米通商代表部(USTR)は13日、9月1日から発動する中国への第4弾の制裁関税について、一部品目の発動を12月15日に先送りすると発表した。延期の対象にはスマートフォンやノートパソコン、衣料・靴などが含まれる。一部調査機関の予備的な試算では、9月1日から10%の制裁関税が課される中国産品の規模は、当初予定の3000億ドル(約32兆円)から半減する可能性がある。

 トランプ米大統領は記者団に対し、当初予定していた関税について、「一部は米国の消費者に影響を及ぼすかもしれない」と認めた。そのうえで「クリスマスの買い物シーズンに影響しないようにした」と述べ、制裁の一部延期は11月以降のクリスマス商戦での消費を直撃しないようにする配慮だとした。

またトランプ氏は米中の交渉担当者が行った電話協議が「とても生産的だった」とも話し、今後の交渉進展に期待感を示した。さらに「中国は(米国と)取引したがっている」として、対中交渉で米国が有利にあるとの立場を強調した。中国政府は13日、中国の劉鶴副首相とライトハイザー米通商代表が電話で協議したと発表していた。

 USTRによると、健康・安全管理の輸入品は制裁対象から完全に除外する。また米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」は延期対象とされたが、腕時計型端末「アップルウオッチ」は予定通り9月1日に10%の関税が上乗せされる予定だ。








【感想】

今後の米中関係に影響を与えそうな不確定要素は多い。香港デモは激しさを増し、最悪、第2の天安門事件となりそうな気配さえある。人民元の暴落・韓国ウォンの暴落は、いつ起こったとしてもおかしくない。台湾や南シナ海での軍事紛争もないとは言い切れない。さて、トランプ政権は中国に対して、為替操作国認定で手綱を締めたり、クリスマス商戦を考慮して対中関税延期で手綱を緩めたり、一見、緩急自在に中国を翻弄しているように見えるが、実際は、第3弾の頃より、確実に締め付けは強くなっている。第3弾までは、関税分を中国生産者などが負担し米国消費者に痛手はなかった。第4弾では、関税分が商品価格に上乗せされる品目がありそうだと判明したため、トランプ大統領再選のため、クリスマス商戦で減点されないよう関税を延期する品目を分別した。これにより、アメリカ側のダメージは殆どなくし、中国側のダメージは膨らんでいく、賢い方法となった。ただ、北戴河会議の様子が全く漏れ伝わってこないことが不気味である。





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