トランプ政権、人権弾圧でも対中圧力強化

米、人権でも対中圧力 禁輸対象、ハイテクから弾圧に拡大

https://www.sankei.com/smp/world/news/191008/wor1910080022-s1.html

【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権は、中国の新疆ウイグル自治区での弾圧を根拠に中国監視カメラ大手を禁輸対象に指定し、人権問題に絡めて企業を締め付ける対中圧力を強める姿勢を示した。これまで安全保障上の懸念から主にハイテク企業を狙い撃ちにしてきたが、禁輸の根拠を人権抑圧にも拡大。10日から米中の閣僚級貿易協議が予定されるが、中国の反発は必至とみられる。

 米政府は7日、対中閣僚協議を10日から開くと正式発表した。これに先立ち7日から次官級が協議入り。そのさなかに米商務省は、監視カメラ世界最大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など中国の28社・機関を禁輸指定した。

商務省の許可なく米企業と取引できない「エンティティー・リスト」に昨年指定された中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)は間もなく経営危機に陥った。

 トランプ政権下で、第5世代(5G)の通信技術を握る華為技術(ファーウェイ)や、スーパーコンピューター関連企業が指定されてきたのは、ハイテクが安保と密接に関わるためだ。

 一方、7日発表の禁輸措置はイスラム少数民族ウイグル族への中国当局の抑圧が理由で、安保上の懸念から一歩踏み込んだ。ペンス副大統領らは先月の国連総会で、「信教の自由」の観点から中国批判を展開。ポンペオ国務長官は今月2日も「宗教抑圧の根源を認識せよ」と演説し、中国やイランなどを念頭に「独裁政権」を非難した。

 中国は従来、主権にかかわるとして同自治区の問題に対する外国の干渉を拒んできた。米国との貿易協議を続ける一方、「核心的利益」と呼ぶ主権問題には激しく反発してきただけに、今回の禁輸指定は、今後の米中協議の進展を危うくする恐れもある。








【感想】

米中貿易摩擦は主に不正取引の是正を大義としていた。今後は人権弾圧に踏み込み戦線拡大する。ややもすると内政干渉と反発され、核心的利益と呼ぶ主権問題に関わるため、アメリカ歴代政権は事実上黙認してきた。しかし、トランプ・ペンス・ポンペイオとスクラムを組んで、信教の自由を前面に押し出して波状攻撃を仕掛けている。砲弾こそ飛び交っていないが、内的には戦闘状態に突入した。換言すれば、アメリカは本気であり、開戦したからには、決着がついて終戦するまで、後戻りすることはない。こうした状況を鑑みると、先日の安倍首相の所信表明演説は、中国に融和姿勢を示すよりも旗色を鮮明にして、アメリカと歩調を合わせていると明確に示す方が紛れが少なかった。遠くない将来、中国と取り引きのある企業が、アメリカから制裁対象に指定されることを考えると、中国から手を引く準備だけは早めに進めておいた方が安全である。





by ロード




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