トルコ、シリア北部に越境攻撃、８人死亡

トルコ、シリア北部に越境攻撃、８人死亡

https://www.sankei.com/smp/world/news/191010/wor1910100006-s1.html

【カイロ＝佐藤貴生】トルコが９日、隣国シリア北部の少数民族クルド人を主体とする民兵組織「シリア民主軍」（ＳＤＦ）への軍事作戦を開始し、ＳＤＦは少なくとも民間人５人、兵士３人の計８人が死亡したと述べた。ロイター通信が伝えた。シリア側国境では多数の民間人が避難しており、地域の不安定化は必至の情勢だ。９年目に入ったシリア内戦は新たな局面を迎えた。

　トルコのエルドアン大統領は９日、「テロの回廊」を消し去ると述べて攻撃開始を宣言した。シリア北東部のトルコ国境の町ラス・アルアインなどに空爆や砲撃を行ったほか、国境から３０キロ以上離れたシリアの町を攻撃したとの情報もある。トルコ軍や同国が支援する民兵部隊がシリア侵攻に向けて国境に集結しているとされ、攻撃が激化する懸念が強まっている。

トランプ米大統領は、「誤った考えだ」と述べて攻撃を容認しない考えを表明。欧州各国のほかエジプトも「受け入れられない」と述べるなど、トルコへの批判が相次いでいる。

　トルコはＳＤＦについて、自国内の独立を志向する非合法武装組織「クルド労働者党」（ＰＫＫ）と連携しているとして、軍事攻撃を行う姿勢を繰り返し表明。ＳＤＦを攻撃してシリア側国境一帯に「安全地帯」を設置し、トルコに逃れてきたシリア難民２００万人を帰還させる計画だ。

　６日に行われた米・トルコ首脳の電話会談を受け、ホワイトハウスはトルコの攻撃に干渉しない方針を示し、７日には国境周辺の米兵約５０人を撤収させたことも明らかになった。

　ＳＤＦはシリアのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」（ＩＳ）の掃討作戦で、米国と共闘した組織。シリア内戦への関与を縮小する米の行動を批判していた。

【感想】

犠牲となった８人の中には、本物の銃を持ち、クルドのために戦い、命を捧げた者もいる。彼らはメシアにも真理にも出会うことなく霊界に逝くことになった。我々は鉄杖祝祭を目前にして、彼らがクルドを思う以上の心情で天一国を思っているか自問自答してみる。もし、そうなっていなければ、余りにも申し訳ない。さて、事の発端は、トランプ大統領とエルドアン大統領の電話会談で機微な意思疎通が上手くいかなかった。但し、トランプ大統領は齟齬を感じると直ちに誤解の入り込む余地のない明確な方針を表明した。しかし、悲劇となった。トランプ大統領は余計な戦闘は好まず、無駄な米軍派遣なら、引き上げたいと考えている。シリア北部を勢力圏とするクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」（ＳＤＦ）は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」（ＩＳ）の掃討作戦で米軍と手を組み勇敢に戦った。しかし、トルコにとってＳＤＦは、自国内で独立を目指す非合法武装組織「クルド労働者党」（ＰＫＫ）の分派にあたるテロリストである。現在の世界は、利害関係が複雑に絡み合い、微妙なバランスの上に成り立っていて、些細な誤解でも大事件を引き起こしかねない状況となっている。

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