プーチン大統領の政治理念

馬渕睦夫『和の国の明日を造る』第71回「テーマ:ロシア革命100周年に思う」

(その2)





開始後31分〜39分


【内容】

プーチン大統領は安定を強調している。2001年にプーチン大統領が書いた論文の要点は、


「ロシアの新しい理念は、人道主義に基づく世界の普遍的価値と、二十世紀の混乱も含めて、時の試練に耐えたロシアの伝統的価値とを、有機的に統一するときに実現するだろう」


人道主義に基づく世界の普遍的価値とは、欧米の近代的価値を指す。二十世紀の混乱とは、ソ連共産主義体制のことを指す。時の試練に耐えたロシアの伝統的価値とは、スラブ主義が共産主義の試練に耐えて伝統的価値を守ってきたことを指す。有機的に統一するとは、両方とも生かすという意味になる。つまりプーチン大統領は、西側世界を否定しておらず、欧米主義(今で言うグローバリズム)とスラブ主義(ナショナリズム)を共に生かし調和させることを、ロシアの新しい目標としている。


そして、明治以降の日本は、この手本になっているので、帝国主義の時代に独立を守った日本の努力と経験に学びたいと言っている。これが安倍首相の8項目の提案につながっている。また、来年3月にロシア大統領選挙が行われる。その後に、北方領土問題は動く可能性がある。ところで、プーチン大統領の支持率は80%あり、共産主義体制に戻りたいと思っているロシア人は、まずいない。




【感想】

多くの日本人は、終戦直後のソ連軍侵攻及び蛮行、シベリア抑留の共産主義国ソ連のマイナスイメージの延長線上にロシアを見ています。しかし、西ドイツがナチスと手を切って西側主要国となったように、ロシアも既に共産主義と袂を分かって再出発しています。過去を水に流すことは簡単ではありませんが、北方領土を返してくれたら協力しましょうと主張して、ロシアを日米陣営から突き放してしまうことは国益に反すると思います。安倍首相の8項目の提案は、日露関係を改善する可能性を感じるので支持します。


土地に対する愛着と素朴な国民性は日本とロシアで共通しています。ロシアの民衆は、ロシア革命で2千万人が虐殺され、スターリンの粛清を受け、第2次世界大戦でも2千万人が犠牲(日本の犠牲者は3百万人)となりました。共産体制で70年間苦労し、ソ連解体後に民主的な近代化を試みてグローバリストの喰い物にされました。同情できる点もあります。そのロシアが日本に教えを求めるならば、協力したいと思います。かつて日本はアメリカと戦争をして、完膚なきまで叩きのめされ、東京大空襲や原爆投下、そして東京裁判史観を押し付けられましたが、今では強固な日米関係を構築して先進国の仲間入りを果たしました。同様にロシアとも仲直りできる可能性はあると思います。但し、プーチン大統領も指摘しているように日露平和条約の締結までには多くの課題があり、時間がかかるかもしれません。


ロシア人は、純粋で素朴な国民性を持っています。康賢実真のお母様の運勢圏から三代王権に相対し、つながるロシア人が多数現れることを願っています。



by ロード



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