ソマリア沖・アデン湾で自衛隊活動 商船2万隻、海賊から守る 重要航路、空と海から監視

ソマリア沖・アデン湾で自衛隊活動 商船2万隻、海賊から守る 重要航路、空と海から監視


2018.1.15


http://www.sankei.com/smp/world/news/180115/wor1801150001-s1.html


アフリカ東部のソマリア沖やアデン湾で、各国の商船を海賊の襲撃から守るために日本の自衛隊が空と海から目を光らせている。活動の拠点があるジブチには米仏が軍事基地を有するほか、昨年には中国の軍事基地も稼働し始め、国際軍事の面からも関心が高まる。関係国と連携して海賊対策に当たる隊員の間には張り詰めた緊張感が漂っていた。(ジブチ 佐藤貴生)

先月中旬、ジブチ国際空港に隣接する自衛隊の拠点を飛び立ったP3C哨戒機が、上空からアデン湾の監視を始めた。海上には船舶の近くを航行して警戒する護衛艦「あまぎり」の姿が見える。

 P3Cから窓ごしに船の写真を撮影し、商船か海賊船かの識別に当たる隊員。その横のパソコンには、各国の商船約40隻が列を作って進む様子が映し出されていた。関係諸国が重点監視している航路で、海賊の襲撃を避けるために各国に広く周知されたルートだ。

 欧州とアジアの間に位置するアデン湾。通過する船舶は年間約2万隻で、うち日本関連の商船はおよそ1割を占める。P3Cは、そのアデン湾を長さ約千キロにわたって監視している。

 「1年365日のうち7~8割は飛行している。アデン湾は日本の商船の重要航路。国益に資するとともに国際貢献も果たしている」。飛行隊長の三野宮弘人3佐(39)がいう。

 海賊はイスラム過激派が暗躍するソマリアが出撃拠点で、自動小銃やロケット砲で武装し、商船に乗り込んで乗組員を人質にして身代金を要求したり、船を乗っ取ったりする。それを現場で阻止するのが「あまぎり」の役割だ。不審船を発見した場合に備え、哨戒ヘリコプターのほか速射砲や魚雷も備えている。

 1佐の斉藤浩司・第2護衛隊司令(50)は、「欧州とアジアを結ぶスエズ運河周辺の航行の安全は重要だ。要請があれば他国の商船の護衛にも当たっている」と述べた。

 海上自衛隊によると、アデン湾周辺の海賊の襲撃件数は237件を記録した2011年以降、減り続け、15年には0件になった。国際規模の連携が奏功した形だ。ただ、昨年は上半期だけで7件起きており、微増傾向にある。

 「自衛隊沿岸警備隊と訓練を行うなどジブチ側とも連携している。規律も正しく、現地でもよく知られていると思う」。自衛隊の広報担当者がいう。

ジブチに軍事基地を建設した中国の思惑をめぐっては色々な憶測が飛んでいるが、中国はこの海域で海賊対策にも取り組んでいる。ある自衛隊員は、「中国の目的がどこにあるかは別として、海賊対策の面では何かあれば情報交換して協力すべき立場にある」と述べた。



【用語解説】ソマリア沖の海賊対策

 国連安全保障理事会が2008年、ソマリア沖・アデン湾の海賊行為を阻止、制圧するため必要なすべての措置を取ることを認める決議案を採択。日本は海賊対処法に基づき、09年から護衛艦や哨戒機による活動を実施、400人近い自衛隊員らが現地で任務に当たる。13年からは多国籍の連合部隊に参加し、持ち回りで司令官も務める。






【感想】

短い文章から、海賊対策の任務に従事する自衛隊員の緊迫感が伝わってきた。私たちは、表面的には俗世間に溶け込んだ生活や仕事に追われていても、内的には、摂理の最前線に立っている自覚を持ち、自衛隊員以上の緊張感を持って歩みたいと思う。




by ロード





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