体制死守 金正恩氏の覚悟 焦点は「完全な非核化」行程表

米朝首脳会談

http://www.sankei.com/smp/world/news/180511/wor1805110027-s1.html

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が先延ばしを図ることなく、シンガポールという第三国での米朝首脳会談に応じたのは、体制生き残りを懸けて覚悟を決めたことを物語っている。米朝が非核化に向けた大枠では合意したとみられるが、どこまで具体的なロードマップ(行程表)を示せるかに会談の成否はかかっている。

北朝鮮国営メディアは10日、金委員長がポンペオ米国務長官との9日の会談で、米朝首脳会談に向けて「満足のいく合意を見た」と報じた。米朝会談の言及に慎重だった北朝鮮が国内にも開催を知らせたのは最高指導者が後戻りしないと決断したことを意味する。

 ポンペオ氏と会談した金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長は「われわれは核能力を完成させ、経済に集中すると宣言した。制裁に圧され、交渉するのではない」と強調した。

 だが、暖房用燃料の不足で平壌でも昨冬、高齢層の死亡が相次いだと指摘されるほど、制裁の影響は切迫していたとされる。

 米政府系メディアは4月に南北首脳会談に臨んだ金委員長への北朝鮮住民のこんな反応を伝えた。「若い指導者が経済問題を打開するため、命を懸けて南朝鮮(韓国)に行った」。制裁を終わらせ、経済への国民の期待に応えられるかが体制維持の鍵で、それは制裁を主導する米国との直談判抜きには不可能だった。

 南北は「完全な非核化」目標で合意しており、米韓の専門家は、金委員長が米朝会談で完全な非核化という大枠をのむことは「既定路線」だとみている。金委員長は5月中に核実験場を閉鎖、公開すると明言した。核能力が完成したからこそ、米国相手に交渉できるという国内向けに会談を正当化する便法も整えた。

 焦点は、米朝がどこまで非核化の手順を明示したロードマップをまとめ上げられるかだ。北朝鮮の核関連施設は無数に点在し、金委員長が「段階的措置」を盾に時間稼ぎを図れば、協議自体が破綻しかねない。

 南北会談前、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこう発言していた。「(米朝間で)大枠の合意は可能だろうが、問題は履行だ。悪魔は細部に宿る」。金委員長が“細部”でどこまで譲歩するのか。それが非核化の真剣さを見極める尺度ともなる。







【感想】

過去の合意では、非核化の約束の見返りとして軽水炉提供をした。この場合、約束をしただけで見返りを与え、偽装工作により非核化を先延ばしされて北朝鮮を利することになった。今回は、制裁圧力の影響が切迫しており、圧力のおかげで米中首脳会談がセッティングされた。もしも破談となり、制裁解除が先延ばしになると深刻に困るのは金正恩である。一見、日米が有利な立場に見えるからこそ、キッチリと非核化を成し遂げ、速やかに拉致解決をしてもらいたい。


欺瞞に満ちた共産独裁体制と対峙するには、軍事圧力と経済制裁を背景にした外交交渉だけが有効な手段となる。相手の良心や自浄作用に期待した戦略的無策では将来に大きな禍根を残す。CVID原則、すなはち、完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄を成し遂げるため、いわゆる、リビア方式(3ケ月以内に、全ての核爆弾と主要原料及び核施設心臓部を米国本土に持ち帰って解体する)が達成された後に制裁解除すれば良い。体制転覆など、元々考えていないので、韓民族で自己決定することになる。日本は、拉致問題の調査に警察を送り込んで、生存している拉致被害者の全員帰国が確認された後に、制裁解除と経済支援を行えば良い。




by ロード




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