イギリス、ブレグジットの緊迫感高まる

メイ首相、あくまで「3月末にEU離脱」

https://www.sankei.com/smp/world/news/190225/wor1902250030-s1.html

【ロンドン=岡部伸、ベルリン=宮下日出男】メイ英首相は25日、欧州連合(EU)からの離脱を延期することは、離脱協定案をめぐる「決断の先送り」でしかないとして、あくまでも3月29日の離脱を目指す考えを強調した。訪問先のエジプトで語った。メイ氏はこれに先立ち、離脱案の下院採決を月内は断念し、3月12日までに行う方針を表明。英紙はメイ氏が離脱期日を最長で2カ月延長する案を検討していると報じており、EUと瀬戸際の修正協議が続いている。

メイ氏は今月24日、エジプトでEUのトゥスク大統領と会談。トゥスク氏は25日、「合意なき離脱」の回避には離脱延期が「合理的」とし、メイ氏と「延期による影響」を話し合ったと明らかにした。ただ、メイ氏が延期回避の姿勢を崩さない中、トゥスク氏は、3月21、22日のEU首脳会議までに英国が下院の過半数の支持を確保することが不可欠だとも伝えた。

 一方、ラッド雇用・年金相ら3閣僚は今月23日付の英紙デーリー・メールに連名で寄稿し、週内に打開策が見いだせなければ離脱の延期が必要だと訴えた。閣僚が離脱延期を公式に訴えたのは初めて。BBC放送によると、保守党議員十数人が、政府が「合意なき離脱」に進むなら、抗議のために辞任すると警告した。

 メイ氏はEU側と「建設的」な話し合いができていると主張。だが、英紙サンデー・テレグラフは24日、3月12日までに国内で離脱案の承認を得られなければ、EUに2カ月程度の離脱延期を申し入れることを含む複数の案が、英政府内で回覧されたと伝えた。








【感想】

イギリスでブレグジットの緊迫度が増してきた。協議は難航し、合意なき離脱が現実味を帯びてきた。もしハードブレグジットとなれば、北アイルランド国境での物流が混乱し、イギリスのGDPは10%減少する見込みである。世界経済に対してもリーマンショック級以上の悪影響を及ぼす。10月に実施予定の消費増税10%を中止するためには、7月28日に任期満了を迎える参院選に、消費増税を争点にして、衆院選を解散しダブル選挙をぶつけることになる。安倍首相が、その決断を下すまでに、ブレグジットの影響が、どこまで顕在化するかが問題である。それにしても3月は、雲行きの怪しい米中首脳会談があり、大げさに表現すれば、天宙の帰趨を決する月になる予感がする。





by ロード




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