米朝首脳会談はリビア方式だった

トランプ氏、核引き渡し要求書を北に手渡し ロイター報道

https://www.sankei.com/smp/world/news/190330/wor1903300029-s1.html

【ワシントン=黒瀬悦成】ロイター通信は29日、トランプ米大統領ベトナムハノイで先月28日に行った米朝首脳会談で、北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長に全ての核兵器や核燃料の米国への引き渡しや、核施設、弾道ミサイルの全面廃棄などを求める文書を手渡していたと伝えた。関係者によると、トランプ氏が金氏に対して「最終的かつ全面的に検証可能な非核化」の定義を直接提示したのは初めて。

 トランプ氏の要求文書は、核関連設備の査察と全面接収を短期間で実施し、核計画の完全放棄が確認されると同時に制裁解除と経済支援を行うとする「リビア方式」を踏襲した内容。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が以前から唱えていたもので、これに金氏が反発し、会談が実質的に物別れに終わったとしている。

ロイター通信によると、問題の文書は1枚で、英語とハングルの両方で書かれており、英語の記述では「北朝鮮の核設備、生物化学兵器の開発計画と関連する軍民両用の能力、弾道ミサイル、発射装置、関連施設の全面廃棄」を要求していた。

 文書はさらに、「核開発計画の全面的な申告と、米国および国際査察担当官の査察を全面容認」「核開発関連の活動と新たな核関連施設の建設の中止」「全ての核関連設備の廃棄」「核計画に携わる全ての科学者と技術者の民生活動への転換」の4点を求めているとしている。

ただ、北朝鮮はこれまでも「リビア方式」を拒否すると繰り返し表明してきた。にもかかわらずトランプ氏が文書を突きつけた動機について、米政府高官は同通信に、北朝鮮の全面非核化と引き換えに経済制裁を全面解除する「大型取引」の実現を狙ったのではないかとの見方を示した。

 一方、ポンペオ国務長官は29日、ワシントンで韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相と会談した。ハノイでの米朝首脳会談の不調を受け、非核化交渉の再開に向けた連携を改めて確認したとみられる。







【感想】

トランプ大統領金正恩の小出しサラミスライス戦術のディールに付き合う気はない。結局はボルトン氏の主導するリビア方式そのものであった。当初は、双方が激しく交渉し、最後にトランプ大統領が椅子を蹴って決裂と推測していたが、上記ニュースを読むと、トランプ政権はハナから金正恩を対等な交渉相手と見なしておらず、会談前から決裂は想定内であった。事前に最後通牒を用意しており、オールorナッシングを迫ると、金正恩は自国内での体制維持困難と判断して反発した。しかし決裂では制裁継続でジリ貧となるため、控え室まで追いすがったが、軽く追い返された。この経緯と結末では金正恩最後通牒を受け入れる決断をしない限り、3回目の開催は困難であり、双方から信頼を失った自称仲介役の北朝鮮首席報道官の文在寅も出番はなかろう。結局トランプ大統領米朝首脳会談金正恩と交渉したのではなく、ディープステイトと交渉したのであり、習近平にどの様な心理的プレッシャーを掛けられるかを計算したうえでのパフォーマンスであった。





by ロード




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