カシミール問題、パキスタン軟化で核戦争危機回避へ

カシミール問題で国際社会に訴えるパキスタン 軍事的緊張は回避

https://www.sankei.com/smp/world/news/190823/wor1908230032-s1.html

シンガポール=森浩】インドが北部ジャム・カシミール州の自治権剥奪を決めた問題をめぐり、カシミール地方の領有権をめぐって争うパキスタンは対印批判を強めつつ、国際社会に解決を訴える手法を採用している。国際通貨基金IMF)から巨額の支援を受けるなど財政的な苦しさもあり、軍事的な緊張の高まりは避けたい構えだ。

 「まるでナチス・ドイツのようだ」

 パキスタンのカーン首相は14日の独立記念日の演説でこうインドのモディ政権を批判。カシミール地方のインド支配地域で「市民への抑圧や人権侵害が起きている」と指摘した。

ジャム・カシミール州の自治権剥奪を決め、実効支配を強める構えを見せるインドに対し、パキスタンは「一方的な措置だ」と激しく反発。カーン政権はこれまでに在パキスタンインド大使の国外追放や、両国間の貿易停止に踏み切った。

 パキスタンの要請を受け国連安全保障理事会は16日に非公開会合を開催。パキスタンのクレシ外相は20日、インドを国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方針を明らかにした。「インドがカシミールの広範囲で、人権侵害を行っている」と主張する見通しだ。

一方、パキスタンカシミール地方での事実上の印パ国境である実効支配線(停戦ライン)付近への軍隊の集中配備など軍事的動きは「視野に入っていない」との見方が強い。パキスタンの政治評論家、カムラン・アンワル氏は「今回、戦争はパキスタンの選択肢ではない。国内問題が片付いていないのに外に打って出られない」と話す。

 その1つが財政上の問題だ。財政難に苦しむパキスタンは7月にIMFから約60億ドル(約6400億円)の支援が決まったばかり。パキスタン自ら軍事的な緊張を高めれば、支援の手も引きかねない。パキスタン外務省関係者は「政治的、外交的に当たっていく」と説明しており、今後も国連などで自国の立場を主張を展開し、国際社会の関心を集めていきたい考えだ。

 ただ、インドとの緊張関係で求心力を保っているとも指摘されるパキスタン軍の動きは不明。動向次第では事態が緊迫の度を増す可能性をはらんでいる。








【感想】

インドとパキスタンの両国が領有権を主張するカシミールで、インド政府は一方的にカシミール自治権を剥奪した。地元との話し合いもないまま、治安部隊を大挙派遣し、独立運動家など多数を拘束した。イスラム教徒の多いカシミール自治を奪った上、政府直轄として実効支配を強める狙いだろうか。インドは、選挙も言論の自由もある世界最大の民主主義国家である。それゆえ、日米などは中国包囲網のパートナーとみなした。印パ両国は核拡散防止条約(NPT)の枠外で核武装している。対立がエスカレートする状況は危険極まりない。以前はカシミールで紛争が起きても、慣れ合い出来レースの小突き合い程度で特に心配はなかったが、今回の対立は深刻な事態となる懸念があった。しかし、上記の記事により、パキスタンの軟化が判明した。この陰で、トランプ大統領による両国首脳への平和電話が功を奏したとも感じられた。





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