香港区議会選、民主派大勝の衝撃

香港区議会選 民主派大勝の衝撃 示された民意と深まる混迷

https://www.sankei.com/smp/world/news/191125/wor1911250013-s1.html

【香港=藤本欣也】注目された香港区議会選は過去最高の投票率を記録し、親政府・親中派勢力が惨敗、民主派勢力が大勝した。

 香港政府に対する不信任とともに、現在の反政府・反中デモを支持するという民意が示された形だ。香港政府への支持をことさら強調してきた中国の習近平政権の敗北でもある。

 抗議活動に勢いがつくのは間違いなく、さらなる譲歩を迫られる当局が今後、どんな対応をとるかが焦点となる。

 「最近の抗議活動が暴力化したとの批判は支持者の間でも少なくない。区議会選はその民意を計るバロメーターとなるだろう」

民主派の立法会(議会)議員は投票前、不安げにこう話していた。親中派勢力が選挙戦で訴えたのも、「民主派は暴力を支持している」という点に尽きた。

 著名な親中派の政治家、何君堯(か・くんぎょう)氏は投票日の24日、「投票率が高いのは、最近の(デモ隊の)暴力事件を受けて、沈黙していた市民たちが目覚めた結果だ」と主張、民主派の暴力に異議を唱えるため市民たちが投票所に向かった-と強弁してみせた。

 しかし、選挙結果をみれば民意は明らかだ。有権者の3人に2人以上が投票所に出かけ、民主派が8割以上の議席を取った衝撃は大きい。6月16日、主催者発表で200万人もの市民が反政府デモに参加したときの衝撃度に匹敵する。

 区議会選に出馬していた何氏自身、まさかの落選を喫し、親中派惨敗の象徴となった。

 今後、民主派など反政府・反中勢力が区議会選大勝を追い風に、林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官に対し「5大要求」の残りの受け入れを迫っていくのは必至だ。

 (1)逃亡犯条例改正案の完全撤回(2)デモを「暴動」と認定した香港政府見解の取り消し(3)警察の暴力に関する独立調査委員会の設置(4)拘束されたデモ参加者らの釈放(5)行政長官選での真の普通選挙の導入-である。

 中でも、一人一票の直接選挙で実施された区議会選を通じ、民意を明確に示すことができた市民たちは一層、普通選挙の実現を求めていく可能性が高い。

 民主派は近く大規模集会を組織し、政府への圧力を強めていくとみられる。米国で「香港人権民主法案」が成立すれば、運動はさらに活気づくだろう。

 林鄭氏はすでに逃亡犯条例の撤回を余儀なくされたが、次なる譲歩をできるのか。つまり中国当局が今回の区議会選をどう総括し、どう対応するのか。譲歩に応じるのか、林鄭氏おろしに動くのか、一層の強硬策に踏み切るのか-。

 区議会選で民意は明確に示された。しかし半年近く続く香港の抗議活動の行方は、さらに混迷の度を深めることになった。








【感想】

香港で親中派の当局は、デモ参加者が暴徒化し、取り締まるため必要最小限の実力行使であると主張していた。しかし香港区議会選で、市民は警察の度を超えた暴力にNOを突き付け、香港の民意が明確に示された。報道の中には、香港区議会は、予算権限も立法権限もなく影響力は限定的で、立候補者も北京の許可を得た者だけの地方選挙であって、北京政府はガス抜きとして見守ったとの論調があった。それでも、選挙結果の持つ意味は大きい。将来の行政長官の選出にも影響力を残し、今後の民主化を目指す抵抗運動でも市民の後押しを得た。そして、アメリカの香港人権民主法案を始め、欧州も声を上げ始めた。それに対して、日本の国会の体たらくは目を覆うばかりだ。まるで、エバがルーシェルを迎え入れるように、国賓として招き入れようとしている。赤い暴れ馬を入れるようでは、日本は安全地帯ではない。現時点でも、滅亡する可能性が50%はあると肝に銘ずるべきである。





by ロード




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