香港政策批判声明「拒否」の真相 「中国に甘い欧州をこちらに引き寄せる」
https://special.sankei.com/a/politics/article/20200622/0002.html
新型コロナウイルスの感染拡大、中国による香港への国家安全法制導入は、それ以前からの米中対立をさらに深めている。こうした中で飛び込んできたのが、中国の香港政策を批判する米国など4カ国の共同声明に日本が参加を拒否し、失望を招いたというニュースだ。共同通信が6月7日に報じた。
自民党保守派の中には、対中強硬派であるはずの安倍晋三首相が中国に忖度(そんたく)しているのではないかという疑念が芽生えていたタイミングだった。政府が3月5日に新型コロナ対策として中国からの入国拒否を決断したのは、習近平国家主席の来日延期が固まるのと同時で、新型コロナ対策よりも日中関係を重視したという憶測を招いていた。
乱れ飛ぶ解説を精査すると、中国への忖度とは正反対の動機が日本政府を駆り立てたようだ。
米政府が4カ国共同声明に加わるよう打診したのは事実だが、日本政府が懸念したのは中国の反応ではなく、ドイツやフランス、イタリアの反応だった。トランプ政権の対中非難は過激化しており、欧州諸国が同調できなくなるとみられたからだ。
これでは先進7カ国(G7)の足並みが乱れることになり、結果として中国を喜ばせることになる。それよりはむしろ、G7で入念な調整を行うべきではないか-。日本政府の働き掛けもあり、G7外相は6月18日、国家安全法制導入に「重大な懸念」を表明する共同声明を発表した。
■拒否する米政権
中国の香港政策に限らず、米政府の対中非難は日増しに強まっている。5月に発表した報告書「中国に対する戦略的アプローチ」では、中国共産党が意図的に混同している事例として「法の支配と法による支配」「テロ対策と圧制」「代議政治と独裁政治」「市場競争と国家主導重商主義」を挙げた。
それぞれ後者の「法による支配」「圧制」「独裁政治」「国家主導重商主義」が中国の実態で、米政府はこれを「拒否する」と宣言した。対立は単なるパワーゲームではなく、イデオロギー上の戦いともなり、米中関係は「新たな冷戦」の様相を濃くしている。
日本も例外ではない。
【感想】
中国による香港国家安全法の導入に対して、アメリカなど4ケ国が中国を批判する共同声明を出すに当たり、日本政府に加わるよう打診があった。共同通信は日本政府が拒否したと報道して、物議を醸した。上記の記事によれば、日本政府は欧州を日米陣営に引き寄せるための、高等戦術を取ったと言うが、分かりずらかった。そこを補う意味も含めて、日本政府が働き掛けて、G7外相が重大な懸念を表明した。ただイギリスはEUを脱退しており、ある意味で欧州ではない。ドイツ・フランス・イタリアとの足並みの乱れを気にするより、日米英を軸とする海洋国家群の結束を強化しても良かったと思う。9月以降に開催予定のG7にオーストラリア・インド・韓国なども招いて、習近平の中国包囲網の結成を目指すが、確かにトランプ大統領が共同声明のまとめ役となるには若干無理がある。取りまとめ役に意欲を示した安倍首相の手腕に世界が注目する。但し、拡大G7までの7月8月にも、香港情勢・中国混乱・世界経済・大統領選・武力紛争など不安定要因は多く余談を許さない。現在は正に六千年歴史の正念場となっている。
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