英が対中強硬策でファイブアイズ中核として存在感

英が対中強硬策でファイブアイズ中核として存在感 EU離脱で独立した外交戦略推進

https://www.sankei.com/smp/world/news/200723/wor2007230023-s1.html

【ロンドン=板東和正】英国が対中強硬策で存在感を高めている。足並みの乱れが懸念される欧州連合(EU)から離脱し、独立した外交戦略を推進したことが背景にある。中国が香港への統制を強化する中、英米などの5カ国で構成する機密情報の共有枠組み「ファイブアイズ」の中核をなす存在として、中国依存からの脱却を図り、対抗姿勢を強調する方針だ。

 米メディアによると、訪英したポンペオ米国務長官は21日、ジョンソン英首相との会談前に非公開の別グループとの面会を行った。

面会相手は、与党・保守党の下院議員が4月に立ち上げた「中国調査グループ」のメンバーだ。新型コロナウイルス発生時の中国の初動対応を非難し、中国依存からの脱却を訴える同グループはジョンソン政権内で強い影響力を持ち、第5世代(5G)移動通信システムから中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を排除する政策を主導したとされる。ポンペオ氏は「英国が、中国に挑む用意がある同盟国であることを期待する」と伝え、連携を確認した。

英政府は同グループの設立以降、華為を排除。中国が香港で「香港国家安全維持法」を施行したのを受け、香港との犯罪人引き渡し条約を今月20日に停止した。また、約50%を中国に頼る鎮痛剤、抗生物質、抗ウイルス薬の原料の調達について、依存低下に向けた計画の策定に乗り出した。

 中国の海洋進出にも対抗しており、14日付の英紙タイムズは、最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群が来年初めに極東に派遣される計画が進んでいると報じた。米国や日本との演習も想定されている。

 1月末の英EU離脱は、英中蜜月の「黄金時代」終焉(しゅうえん)に大きく作用した。英政治学者のティム・スティーブンス氏は自身のコラムで「英国が欧州の束縛から解放され、国際問題で独自の道を歩めることが離脱の良い点の一つだとされていた」と指摘する。

英政府は離脱前はEUや国連とともに国際的な制裁を行ってきたが、今月6日に他国での人権侵害事件の加害者への制裁を独自に判断する方針を表明。ラーブ外相は19日、中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害をめぐり、関係者への制裁もあり得ると述べた。保守党の元議員は「EUから抜け出してグローバル・ブリテンを掲げる英国は、米国との連携強化や中国への制裁措置を自由自在に行えるようになり、ファイブアイズでの存在感が強まった」と分析する。

 一方、EUは対中政策で米英との連携が遅れている。華為について、EUは5G通信網への採用の判断を加盟国に委ね、ドイツなどは完全排除を決断していない。米国は英国を「中国に対抗する欧州の理想的なモデル」(欧州政治の専門家)と捉える。元保守党議員で国際政治を研究するキース・ベスト氏は「英国が米国の対中強硬路線に加わることで、西側諸国と中国との新冷戦が加速する可能性がある」とみている。



f:id:hamamatsu3000:20200725023245j:plain







【感想】

EU離脱を延々と議論し続けていた頃は、斜陽を醸し出す往年の大国の風情があったが、今では輝きを取り戻しつつある。アメリカはヒューストンの中国総領事館の閉鎖を要求する強行策に出た。報復として中国は四川省成都市の米総領事館の閉鎖要求準備を進めている。またイギリスが香港国安法の施行を受けて香港住民の受け入れ準備をすると、中国は報復として英国海外市民の旅券の無効化を検討すると表明した。アメリカは武漢P4研究所の明け渡しを要求し、南シナ海に空母3隻を集結させようとし、英空母も合流を準備している。米英はファイティングポーズをとって、中国に揺さぶりを掛けている。西側各国の中には、5Gでファーウェイ排除を決めたり、犯罪人引き渡し条約を停止したりする動きが出てきた。こうした中で、イギリスはファイブアイズのなかで存在感を示し、発言力・指導力を強めている。しかしドイツのメルケルトランプ大統領との確執もありイタリアと共にファーウェイ採用を表明した。フランスは揺れていて、ファーウェイ使用なら免許更新を許可しないようだ。日本は20世紀の歴史に学ぶべきである。日英同盟が強固な時には日露戦争にも勝利し国運は向上したが、日独伊三国同盟を締結すると大東亜戦争に引きずり込まれて辛酸をなめた。結局、付き合う相手によって国運は左右される。現在では、まずアメリカ次にイギリスそして親日国家群、間違っても中国と仲良くしてはならない。




by ロード




クリックして応援してね。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ サンクチュアリ教会へ
にほんブログ村