現代中国のポストモダン「寝そべり」主義、当局が検閲

現代中国のポストモダン「寝そべり」主義、当局が検閲

https://www.epochtimes.jp/2021/06/75054.html

中国のオンラインショッピングサイトでは、「躺平(寝そべり)」という社会現象に言及した商品が削除されている。「寝そべり」は就職、住宅購入や結婚など抑圧から逃れる若者の新しい生き方として、学者は「ポストモダン的な流れだ」と評していた。しかし、中国共産党(以下、中共)は競争を避け発展に繋がらないイデオロギーとして警戒し、検閲を行なっている。

淘宝(タオバオ)や京東(ジンドン)では、ここ数日、寝そべりのスローガンが書かれたTシャツや携帯電話ケースなどが削除されていると、ネットショップの店員がラジオ・フリー・アジア(RFA)に語った。

オンラインの解説では、寝そべりを支持する若い世代は「家を買わない、車を買わない、結婚しない、子供を産まない、消費しない」と従来の社会的な圧力を避けて生きるライフスタイルを言う。

浙江省を拠点とするタオバオの顧客である朱英さんは、「『躺平(寝そべり)』や 『只要躺得够平就不会被割韭菜(横にならなければニラのように切り取られてしまう)』などのスローガンが書かれたTシャツはたくさんあった。マグカップスマホケース、バンパーステッカーなどにもプリントされていた」と述べた。

「でも、今はみんな消えてしまった」と彼女は語った。

6月22日にタオバオで 「躺平T恤(寝そべりTシャツ)」というキーワードで検索したところ、完全に一致するものはなく、「新青年」や 「軟萌兔」などのスローガンが書かれたTシャツしか見つからなかった。

朱さんは、「権力者たちは、消費や労働、結婚を拒否して、ただ寝そべるべきだという考えを、特にタブー視している。だからこそ、彼らは検閲したのだろう」と述べた。

この「寝そべり」という概念は、2年間失業していた若者の投稿によって始まった。この投稿者は、食や労働、社会的地位に構うことなく、競争しないで生きることを奨励し、「寝そべりはまさに賢者の運動。躺平は万物の尺度だ」と主張した。

(以降、URL参照)



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【感想】

中国での興味深い社会現象である。面と向かって中国共産党に反対活動をすれば、逮捕され拷問・虐殺されてしまう。そうした状況では、穏やかに世直しを訴える民衆運動が支持を集めて広まる。インドにおける、非暴力不服従も似た兆候であり、大政奉還の直前に流行した、ええじゃないか踊りも、その類である。中共体制に希望を見い出せない若者が静かなる抵抗を始め、世の中の流れに危機感を募らせた当局が取り締まりに乗り出した。中国社会の閉塞感を表す記事であったが、幸い日本では、親中派に対して糾弾の声を上げても逮捕されることはない。沈黙は利敵行為であると考え、今の状況の中で何ができるかを考えて前進して行きたい。




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