トランプ大統領、見事なディールで主導権確保

米国、中国に追加関税課さず 首脳会談終える

https://www.sankei.com/smp/world/news/190629/wor1906290016-s1.html

トランプ米大統領習近平国家主席は29日午後、20カ国・地域首脳会議(G29サミット)が開かれている大阪での首脳会談を終えた。中国国営通信新華社は同日、米側が「中国の輸出品に対して新たな追加関税をかけない方針を示した」と伝えた。両首脳は「双方が平等かつ相互尊重の土台の下、貿易協議を再開すること」で合意したという。

 トランプ政権が今月下旬に課すとしてきた約3000億ドル(約32兆円)分の中国からの輸入品に対する「第4弾」の制裁関税はこれにより回避された。(西見由章)









【感想】

米中首脳会談が上手く行ったというよりも、ひとえに米国の国内事情で第4弾を延期しただけである。第3弾までの関税は一切緩和しておらず、主導権を確保したまま、締め付けは継続される。前回、合意直前で150頁の合意文書を中国側が一方的に50頁を削除し、第3弾の関税が10%から25%に引き上げられた。貿易協議を再開するためには、削除された合意文書を元に戻すことから再開となる。イラン情勢の緊迫度、米企業のサプライチェーンの再構築の時間稼ぎ、交渉相手として習近平が組み易く下手に失脚させて別人物に代えたくない。などの思惑を総合的に勘案した落とし所である。来日前に「決裂したら全輸入品に関税25%だ」と高めの球でビビらせ、会談後に、交渉継続・第4弾回避で譲歩したように演出した見事なトランプ流ディールである。今後、ペンス副大統領の人権演説がいつ行われるかに注目が集まる。もし、板門店DMZで金正恩に会うことになれば、軸をぶらさず、世界を手玉に取り、トランプ劇場アクセル全開となる。ディールの達人、面目躍如となる頼もしい大統領である。





by ロード




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