北京五輪、米国で開催地変更やボイコット求める動き 議会で決議案
https://www.sankei.com/smp/world/news/210217/wor2102170007-s1.html
【ワシントン=黒瀬悦成】ポンペオ米前国務長官は16日、FOXニュースの番組に出演し、来年2月に開催予定の北京冬季五輪に関し、中国共産党体制が新疆(しんきょう)ウイグル自治区でウイグル族などのイスラム教徒少数民族の「ジェノサイド(民族大量虐殺)」に関与しているとして、開催地を変更すべきだと訴えた。
ポンペオ氏は、ヒトラー率いるナチス・ドイツが1936年に主催したベルリン五輪を引き合いに出し、「中国にプロパガンダ(政治宣伝)上の勝利を許してはならない」と述べる一方、国際舞台での活躍を目指す選手たちのことを考慮し、「別の場所で開催すべきだ」と呼びかけた。
また、ポンペオ氏は「(開催まで)まだ1年近くある。主催したい国で、五輪の理想を真の意味で掲げる国はあるはずだ」とし、国際オリンピック委員会(IOC)に加えバイデン政権に対して開催地変更に前向きに取り組むよう求めた。
一方、共和党のウォルツ下院議員(フロリダ州選出)は15日、IOCが北京に代わる開催地を見つけられなかった場合、米国オリンピック・パラリンピック委員会が北京五輪をボイコットするよう求める決議案を下院に提出した。
決議案は、ウイグル自治区での人権抑圧に加え、中国当局による香港での民主派弾圧や新型コロナウイルス感染の情報隠蔽なども非難。また、他の参加国にもボイコットを求め、可決された場合はブリンケン国務長官に決議を各国に送付するよう要請した。
上院でも1月22日、共和党の7議員が開催地変更を求める決議案を提出した。
また、カナダのトルドー首相も中国の人権弾圧を問題視する立場から北京開催の是非に関し「事態を注視している」と強調した。
【感想】
ポンペイオ氏の発言は、極めて正論である。世界は中共の人権弾圧に厳しい視線を向けるようになってきた。しかし肝心なアメリカ政府、特に要のバイデンが心許ない。バイデンは生放送で、先日行った習近平との電話会談において、バイデンから中国には独自の文化と価値観があるので、習近平がウイグル・チベット・内モンゴル・香港で行っていることに触れるつもりはないと発言した。またバイデンは、黒人やラテン系はインターネットからワクチン接種の予約のやり方が分からないと発言した。こうしたバイデンの差別発言は、切り取りで誤解された森喜朗氏の発言とは比べられないほど酷い、即刻弾劾に値するバイデンのジェノサイド擁護発言であり、人種差別発言である。アメリカ政府の立ち位置が定まらないと、民主主義陣営の方針も決まらない。人権弾圧とオリンピックが米国内の亀裂を深くする懸念がある。
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