核合意を離脱して最高レベルの制裁へ

イランのロウハニ大統領反発、核開発再開も示唆 米の核合意離脱で


http://www.sankei.com/smp/world/news/180509/wor1805090027-s1.html


【カイロ=佐藤貴生】トランプ米政権がイランとの核合意から離脱し、「最高度のレベル」の制裁を科す方針を示したことを受けてイランのロウハニ大統領は8日、テレビ演説し「イランは合意を履行してきたのに、米国は決して順守することはなかった」と猛反発した。

一方でロウハニ師は、外務当局に対し、米国以外の核合意の当事国である英独仏中露の各国と交渉するよう指示したと言明。「核合意から完全な利益が得られるとの結論に達したら、合意は維持される」との見方を示した。ただ、国益にそぐわないと判断すれば「工業用のウラン濃縮活動を再開する用意がある」とも警告し、米国以外の国々に合意を維持するよう牽制した。

 米国の制裁再開によって、低迷しているイラン経済はさらに苦境に陥ることがほぼ確実になった。核合意により外国からの投資が増える-と訴えて大統領再選を果たしたロウハニ師の見通しが裏目に出たことで、同師をはじめとする穏健派は厳しい立場に追い込まれる可能性が強い。国内の反米保守強硬派が台頭し、核合意を破棄するよう圧力を強めるのは必至だ。

 ロイター通信によると、米国が科す見通しの制裁は、エネルギーや金融部門を網羅するものとなる見込み。これにより、海外への原油売却が困難になり、国際的な金融システムからも排除される可能性がある。「対イラン投資はリスクが大きい」という心理が増幅され、海外からの投資意欲が冷え込むことも間違いなく、原油以外にめぼしい輸出品に乏しいイラン経済の回復がさらに遠のくことは確実だ。

 イランでは昨年末から今年初めにかけ、経済低迷への不満をきっかけとする反政府デモが全土で行われた。政権に対する批判が再びデモという形となって噴出する事態も起きかねない。





【感想】

アメリカにとって、既に核爆発させることも、ミサイルを米本土に到達させることもできる北朝鮮ほど逼迫していないが、トランプ大統領は本格的にイラン封じ込め態勢に踏み込んだ。もしシーア派のイランが核武装すると、イスラエルは隠し持っている核兵器を明言して増強し、スンニ派サウジアラビアも即刻核武装し、更には武装テロ組織まで核爆弾を入手する危険性まで生じて、収拾不能となる。アメリカはイラン核合意を破棄して、最高度レベルの制裁を科すことになった。今後、イランからの原油輸出はできなくなり、イランへの投資も鈍り、イラン経済は窮地に陥る。イラン国内では、不満が積もり、反政府運動が沸き起こり、対米強硬派が台頭して不穏な雰囲気となる。つまり、イランの核という大きな危険を取り除くため、イランの不満という小さな火種を残すことになる。中東は、ユダヤ問題・宗教問題・石油利権・武力紛争など一筋縄では収まらない。それでも、核兵器が拡散して制御不能となる事態だけは絶対に避けなければならない。





by ロード




クリックして応援してね。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ サンクチュアリ教会へ
にほんブログ村