イラン訪問、世界が注目する安倍外交の正念場

イランはギリギリの対米瀬戸際戦術

https://www.sankei.com/smp/world/news/190608/wor1906080011-s1.html

【カイロ=佐藤貴生】安倍晋三首相が12日からイランを訪問し、中東情勢の緊張緩和に向けて調整に乗り出すことを歓迎しているもようだ。ただ、米国側が求める核・弾道ミサイル開発の中止や周辺国への影響力拡大の停止は、イランにとって体制の存亡にかかわる問題だ。現時点でイランが根本的に態度を改めるとは、考えにくい。

 調停の努力は、米国に批判的な国際世論の形成にも利用されかねない情勢だ。

 核合意の交渉を主導したロウハニ大統領らは、「締結の見返りに制裁が解除されてイランの経済が上向く」と主張していた。だがトランプ米政権が合意を離脱して制裁再開に転じ、経済低迷に拍車がかかった。

このため、イランの指導層では反米の保守強硬派が勢いを増し、調停の成否は未知数なのが実情だ。

 イランは先月8日、核合意の一部停止を表明した。合意の当事国、英仏独に経済関係の維持を促す捨て身の戦術。ただ、米制裁への抵触を恐れる欧州企業は取引継続に消極的だ。

 イランは7月上旬に核合意を超える濃度のウラン製造に着手するとしており、実行すれば明白な合意違反となる。頼みの欧州も批判一色に染まることは必至で、ギリギリの瀬戸際戦術に着地点は見通せない。









【感想】

アメリカとイランの間で軍事的衝突の緊張が高まる中、安倍首相が12日〜14日イランを訪問して、ロウハニ大統領や最高指導者ハメネイ師と会談して解決の糸口を探る。アメリカが核合意から離脱し、イラン産原油の完全禁輸に踏み切って締め付けを強化すると、イランは革命防衛隊などが周辺諸国で暴れ、駐留米軍を襲う噂まで出た。米軍は空母や戦略爆撃機を派遣して睨み合いが始まった。先日のトランプ大統領訪日前にイラン外相が来日して安倍首相にまで会い、上記のトランプ大統領の発言を読むと、お互いに振り上げた拳を、誰か仲介して納めさせてくれよと期待している節がある。官邸はサウジやイスラエルに根回しして、安倍首相もトランプ大統領と緊密に連携を取り、イラン訪問時のお土産と提案内容を検討し、イラン訪問を正式に公表した。ペルシャの誇りを持つイランには周辺のアラブへの対抗心があり、イスラムシーア派のイランにはスンニ派との葛藤もある。最重要な核問題も絡み、解決への道筋は単純でない。同行する河野外相の中東人脈には太いパイプがあり、G20を前に、安倍外交の正念場を迎えようとしている。





by ロード




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