イラン捨て身の瀬戸際外交、米軍の鉄槌は秒読みか

イラン、捨て身の戦術 「核開発カード」で欧州に支援迫る

https://www.sankei.com/smp/world/news/190708/wor1907080001-s1.html

【カイロ=佐藤貴生】イランは7日、核合意の規定上限を超える濃縮度のウラン製造に乗り出すと表明した。5月に続いて60日間という期限を再び設定し、「第3段階」の履行義務放棄も辞さない方針を示した。いずれも英仏独の3カ国に、イランとの経済取引維持という合意の履行を求める狙いがある。

 トランプ米政権の強硬な対イラン政策が続く中、今後も核開発に関する「カード」を切って欧州に圧力をかけ、自陣に引きつける捨て身の戦術といえる。

イランは核開発は平和利用が目的だと主張してきた。非核保有国の核兵器製造、取得を禁じた核拡散防止条約(NPT)にも加盟している。その上で核合意も順守してきたのに、なぜ、欧米は理解を示さないのか-といういらだちがある。

 ただ、イランが履行を放棄する内容が徐々に重大なものへと移行すれば、自らの孤立を深める結果となりかねないリスクをはらんでいる。

 イランが「第3段階」の措置として何を想定しているかは明らかではないが、ウラン濃縮を加速させうる遠心分離機の増強などが想定される。

トランプ米政権が核合意離脱を表明した翌月の昨年6月、イランは遠心分離機の新型機製造に向けた整備を始める意向を示した。遠心分離機は核合意により1万9000台から6100台に削減し、能力が比較的低い初期型を中心に使用するよう規定されている。

 イランがこうした強硬な態度に出た場合、欧州で反発が強まって米側への同調機運が高まる可能性が大きい。トランプ米大統領は今月初め、イランの核合意をめぐる動きを「火遊び」だと評した。欧州を説得する材料であるはずの「核開発カード」は、離反を促す危険性と表裏一体をなしている。








【感想】

オバマが締結した核合意は生ぬるく、トランプ大統領はイラン核合意から離脱した。ボルトンは、イラン国内に不満が溜まっているので、強烈な経済制裁を掛ければ、イランは内部崩壊すると予想した。イラン産原油の全面禁輸となり、イランは困窮し、外資が不足し、自国通貨を刷りまくり、イラン経済は崩壊寸前となった。アメリカを懐柔できないので、核合意に留まっている英米仏から譲歩を引き出すため、瀬戸際外交で、ウラン濃縮5%のカードを切った。すると、シリア向けのイランのタンカーが、トランプ政権の意向を受けたイギリス海兵隊によって拿捕された。ウラン濃縮カードは欧州からの反発も強い。舌戦は激しさを増しているが、双方とも軍事衝突を回避するため自制している。イランはタンカー攻撃で沈没させないよう船体上部に機雷を取り付け、人的被害が出ないよう無人機を撃墜した。アメリカは経済制裁で様子を見ているが、フェーズが上がれば、国連安保理決議で海上封鎖や臨検となる。それを破ったり、米軍兵士に犠牲が生ずる軍事挑発、あるいは20%以上のウラン濃縮を始めると、米軍の空爆による鉄槌が下される。





by ロード




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