東南アジアで米中応酬 「中国はルール無視」「米国は非論理的」

東南アジアで米中応酬 「中国はルール無視」「米国は非論理的」

https://www.sankei.com/smp/world/news/200728/wor2007280026-s1.html

 【シンガポール=森浩】米国と中国の大使館が、東南アジア各国で舌戦を繰り広げている。米国側が中国の南シナ海での覇権主義を批判すれば、中国側は「中国と沿岸国との間に不和を生み出そうとしている」と応酬。東南アジア諸国連合ASEAN)加盟国には米中との距離感に温度差があり、自国の主張を展開することで、各国への浸透を図りたい意向がある。

 在ミャンマー米国大使館は18日公表の声明で、中国による南シナ海の実効支配強化や、香港の統制を強化する香港国家安全維持法(国安法)導入を批判した。「ミャンマーにとって、これらは遠い存在に思えるかもしれないが、中国の行動は近隣国の主権を弱体化させる動きの一部である」と警鐘を鳴らし、「米国は重要な課題である衛生状態の改善、民主的制度の強化などについて、ミャンマーASEANのパートナーだ」と訴えた。

これに対し、在ミャンマー中国大使館は即座に反論し、「(声明の)ひどさと下品さのレベルには驚かされる。極めて非論理的であり、ミャンマーと香港や南シナ海の問題と結びつけ、中国とミャンマーの関係をおとしめようとしている」と反発した。

 タイでは米国のデゾンブル大使が14日、地元紙への寄稿で、「中国はルールを無視し、事実をでっち上げ、約束を破るようになっている」と批判。南シナ海は主要な貿易航路であり、自由な航行の重要性はタイの消費者と無関係ではないことを強調した。在タイ中国大使館は同日、公式サイトで「南シナ海の平和と安定を守るための中国とASEANの共同の努力を無視し、中国と沿岸国との間に不和を生み出そうとしている」と反応した。同様の批判合戦はフィリピンでも南シナ海情勢をめぐって繰り広げられた。

米国による自説の主張について、ロイター通信は、「この地域(ASEAN)における米国外交の新たな取り組みを示すものだ」と分析。トランプ米大統領が東アジアサミット(EAS)に3年連続で欠席するなど、ASEAN加盟国には「米国はASEANを軽視している」との疑念も根強い。米国側には加盟国に寄り添う姿勢を見せることで、不信感を払拭したい思惑が見え隠れする。

 中国が経済的な影響力を拡大する中、ASEAN加盟国の対中姿勢にはばらつきがある。南シナ海の領有権問題に直面するベトナムは中国に厳しい態度で臨む一方、巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて巨額の融資を受け取るカンボジアラオスは親中的な態度を隠していない。

ただ、南シナ海で中国が実効支配を強める動きは、ASEAN加盟国間の温度差を徐々に埋めつつある。インドネシアは5月、中国が南シナ海に一方的に設定した境界線「九段線」に反対する書簡を国連に送付。シンガポールのリー・シェンロン首相も米外交誌への寄稿で、中国の影響力が増大しても「南シナ海で複数の国と領有権を争っており、(米国の)役割を引き継ぐことはできないだろう」と中国の軍事的拡大にくぎを刺した。



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【感想】

米中対立は多方面に渡り激しさを増している。南シナ海ではASEAN加盟国との利害が関係する。そこに米国の同盟国はないが、ベトナムインドネシアシンガポールなどは中国の覇権主義を快く思っていない。カンボジアラオスは一帯一路で巨額融資を受け取っている。米中両国は近い将来における激突に備えて近隣諸国の支持を集めておきたい思惑が感じられる。そして8月は7月よりも露骨に対立する。ワシントンの大使館は残すが、サンフランシスコ・ニューヨーク・シカゴ・ロサンゼルスの総領事館は閉鎖の可能性がある。ウイグルの弾圧責任者の陳全国らに対して、米国内の個人資産を凍結し入国禁止とした。香港の弾圧責任者に対しても実施する可能性がある。その間に、中国と香港に滞在するアメリカ人は必死に脱出を図る。南シナ海の人工島は中国本土からは千キロ以上離れていて援軍は難しい。米軍は空母3隻を集結させ、ハーグ仲裁裁判所の判決に従って、海上封鎖の後に、奪還作戦を決行すると見る。




by ロード




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