トランプ政権、中国IT企業排除に本腰

習近平も青ざめる…日米の鬼すぎる「IT企業排除」で中国経済が超絶ピンチに

https://president.jp/articles/amp/38251?page=1

米中対立に巻き込まれる第三国企業
8月13日、米政府は国防権限法(NDAA)を施行、中国企業排除を一段と強化し、米中対立が激しさを増しています。対象となる中国企業は、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)、監視カメラの杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)と浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、特定用途無線大手の海能達通信(ハイテラ)の5社です。

米国政府は2018年成立のNDAAに基づき、昨年8月から政府機関による対象5社製品の使用を禁止。今回の第2弾では、政府が対象5社製品を直接調達する場合に限らず、対象5社の製品を使う企業からの調達も禁じる内容へ拡大。すなわち、米政府と取引がある企業は、ベンダーから中国IT企業を排除することを求められたことになります。

この規制強化によって、米政府と中国企業のどちらの取引を継続するかの選択に、第三国企業も巻き込まれた状況です。米国政府と直接取引がある企業は、対象5社の製品が社内で使われていないかを調査、不使用の旨を宣誓する必要があります。直接的に取引がなくとも、取引先から対象5社製品が使用されていないか問合せを受けた場合、取引継続の観点から代替品へ変えることが求められる可能性もあります。サプライチェーンの見直しを直ちに行えないなど対応が難しい場合、特例として22年までの適用除外が認められています。しかしながら、対象5社製品をどの程度使用していれば当規制の対象になるのか、特例が容認される条件など、現状は曖昧な部分も多く、日本企業としても警戒を怠らない姿勢が必要です。

通信産業を通じた中国のスパイ活動を懸念
こうした米政府の中国企業の締め出しの根拠の1つになっているのが、中国政府が2017年に施行した国家情報法です。

国家情報法の第7条では、「いかなる組織及び国民も、法に基づき国家情報活動を支持し、これに協力し、知り得た国家情報活動の秘密を守らなければならない」と定められています。これは、中国政府の求めに応じて、個人又は民間企業は中国の情報活動に協力しなければならないと解釈できます。同法第8条で、法に準拠し、個人又は組織の利益を守るとも規定されていますが、通信産業を通じたスパイ活動ができるのではと、諸外国から懸念の声が上がっています。

これに対して、米国のマイク・ポンペオ国務長官は、5Gクリーンネットワーク政策を発表。この政策は、米国の安全保障の観点から、信頼できないベンダー・通信事業者から5Gネットワークを保護することを目的としたものであり、日本を含む30以上の国と地域が参加しています。

NDAAの一環として、2020年4月に5Gクリーン・パス、同年8月にクリーン・キャリア、ストア、アプリ、クラウド、ケーブルを順次公表。信頼できる国とそのベンダーのみと取引を行うことを表明しています。

5Gクリーンネットワークの概要
•5Gクリーン・パス:ファーウェイやZTEなどの信頼できないITベンダーの機器を介して、米国外交施設の5Gネットワークへアクセスしないことを求める

•クリーン・キャリア:米国が信頼できないと定める中国の通信キャリアが米国の通信ネットワークに接続されていないことを求める

•クリーン・ストア:米国のアプリストアから信頼できないアプリの排除を求める(TikTokやWeChatを例示)

•クリーン・アプリ:信頼できないスマートフォンメーカーが、製造端末にアプリを事前インストール、またはアプリストアからダウンロードできないよう求める(スマートフォンメーカーとして、ファーウェイを例示)

•クリーン・クラウド:米国市民の個人情報、知的財産につながるビジネス情報を、信頼できないクラウドシステムに保存しないよう求める(アリババ、バイドゥ、チャイナモバイル、チャイナレテコム、テンセントを例示)

•クリーン・ケーブル:世界中の海底ケーブルから中国ベンダーを排除し、通信の安全性を確保

5Gクリーンネットワークで中国は一人負け
中国は2015年の「情報シルクロード」、2017年に「デジタル・シルクロード」構想を発表、国内のハイテク市場成長に陰りがみえ、中東欧・欧州に活路を求めるようになっています。具体的には、国外の高速光ケーブル回線の敷設、情報通信技術の連携・相互交流によりデジタル技術の中国標準を拡大しようとしています。

このデジタル・シルクロード構想は、中国の輸出に占める通信機器を基盤としています。中国貿易統計によると、2007年には808億ドル(約8兆9000億円)であった通信機器の輸出額は、2018年には2427億ドル(約26兆6000億円)まで成長、輸出全体の約10%を占めるまでになっています。これは、各国の中国通信機器への依存率が高まっていることも示します。

そして、デジタル・シルクロード構想推進に当たり、ファーウェイは特に重要な役割を果たしている企業と言えます。同社は、基地局ルーター、モデム、スイッチなどのネットワーク機器で世界最大のメーカーとなっています。世界の基地局シェアは、ファーウェイがトップで約30%を占めます。スマホでも、同社の販売台数はアップルを抜き、サムスン電子に次ぐ世界第2位です。その結果、同社の地域別売上高の41%は海外向けとなっています。

5Gクリーンネットワーク政策に基づく、今回のNDAA 889条施行は、ファーウェイ含む5社を信頼できない企業と名指しし、世界市場での影響力拡大に待ったをかけた形です。当該規制は、米政府との取引を制限されるに留まり、遵守しなかった場合の具体的な罰則は明示されてはいません。しかしながら、米政府が中国IT企業の排除をうたい、すでに30を超える国と地域が参加している以上、中国企業への影響は避けられないでしょう。

日系企業へのダメージはほぼなし
これら米中貿易摩擦は、現状、日本企業に大きな混乱を与えてはいないようです。NIKKEI ASIAN REVIEWによると、米国政府と取引がある日系子会社、並びにアジア諸国の米軍施設と取引がある日系企業は800社以上あると報じているものの、取引金額が15億ドル(約1600億円)程度にとどまっており、日本の対米輸出額15兆3000億円と比較して、それほど大きな金額影響は見込まれてはいません。

対象5社の機器を使用していたNTTは、規則施行前にすべての製品を交換すると発表、早い段階で契約に問題が生じないか確認を行っています。ソフトバンクグループは、4Gワイヤレスネットワークの一部にファーウェイおよびZTE製品を利用していましたが、エリクソンノキアへ切り替えています。結果、日系通信大手4社は、無事クリーンリスト入りを果たしています。

ゼネコン大手の鹿島建設はファーウェイ製品をいくつか使用していますが、契約更新時に代替を予定しています。

しかし、影響は米国との取引だけにとどまりません。英国、オーストラリアに加え、今後インドも国家安全保障の懸念を理由に、中国IT企業を5G計画から排除する見通しを発表しています。

これまで5Gに関わる多国籍企業は、グローバリズムの中、ビジネスの利益を追求したサプライチェーン構築を行ってきましたが、情報通信は国の安全保障と不可分な領域である以上、今後は国家の利益という別な軸からも継続的見直しを迫られることになりそうです。



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【感想】

トランプ政権のファーウェイ潰しの決意は本気である。アメリカの国防権限法により、米国政府と取引がある企業は、そのベンダーから、ファーウェイ・ZTE・ハイクビジョン・ダーファテクノロジー・ハイテラの5社の製品を使用する会社を排除しなければならない。アメリカの国防権限法は、中国が自国企業に対してスパイ活動を強要できる国家情報法に対抗する法律である。また米国の提唱する5Gクリーンネットワーク構想に、日本を含む30以上の国と地域が参加しているが、この構想は中国のデジタルシルクロード構想を信頼できないとして、アメリカが立ち上げたカウンター構想である。日本企業のNTT・ソフトバンク鹿島建設などはクリーンリスト入りしている。日米安保同盟を基盤として安全保障の主要部分をアメリカに依存する日本にとり、アメリカと中国の二択を迫られた場合には、選択の余地はない。最終的には中国を切り捨ててアメリカ陣営に組み込まれることになる。この時、中国に深入りしているトヨタパナソニックなどは深手を負うかもしれない。トランプ政権は中国に進出した自国企業と中国に滞在するアメリカ国民に対して、再三に渡り帰国を促してきた。その期限は8月末であり、明日からはギアチェンジした中国締め付けが始まり、逃げ遅れた米国民は半ば自己責任と扱われる。中国に進出している日本企業の駐在社員が将来、人質とならぬか心配である。




by ロード




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