「中国、領土放棄型の停戦を提案」ウクライナ情勢で米紙報道

https://www.sankei.com/article/20230527-YYO4WYG4XVNMZB7OZ4JTGC4GEI/

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)は26日、ウクライナ情勢の和平の仲介に向けてウクライナや欧州を歴訪している中国の李輝ユーラシア事務特別代表が、これまでに面会した欧州各国の当局者に「欧州は米国から離れ、ウクライナ国内の占領地域の保有権をロシアに残す条件で即時停戦を呼び掛けるべきだ」とする立場を示したと報じた。欧米側の関係者の話としている。
中国は2月に発表した「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」と題した文書の冒頭で「各国の主権や独立、領土保全は適切に保障されるべきだ」と指摘していた。報道が事実であれば、ウクライナの領土保全を軽視し、ロシア寄りの立場をとる中国の姿勢が改めて示された形だ。

WSJによると、欧州側は「露軍の撤退なしでの停戦は国際的利益にかなわない」「欧州を米国から引き離すのは不可能だ」と李氏の提案を拒否したという。
李氏は26日、ロシアの首都モスクワを訪れ、ラブロフ外相と会談した。露外務省によると、両氏はウクライナ情勢や紛争解決の見通しについて協議。ラブロフ氏はウクライナ情勢を巡る中国の「思慮深い立場」に謝意を示し、「中国が紛争解決に積極的な役割を果たしている」と評価した。

中国外務省は26日、李氏が欧州連合(EU)当局者と25日にブリュッセルで会談したと発表した文書内で「中国はウクライナ問題に関して常に客観的かつ公正な立場を堅持し、和平交渉を推進してきた」とした。

中国はこれまでもロシアとウクライナに対して中立だと主張してきた。ただ、3月には習近平国家主席が訪露してプーチン露大統領と会談したほか、最近も中露両政府高官の往来が続いており、欧米側は中国の中立性を疑問視している。









【感想】

G7の評価で多くの評論家の見解を聞いたが、私は青山繁晴氏の524回・525回での見解がしっくりきた。中国はG7における日本の態度に激怒し、垂大使を呼びつけた。G7ではウイグルチベット・香港の件でも中国を非難した。そこで習近平はロシアの首相を招いて握手した。その意味は、中国がロシアと組むと表明したことになるが、したたかな中国は上記の記事のように手の込んだ手法を使う。G7の前までは、ロシアに停戦の兆候はあった。しかしゼレンスキーがG7の中でクリミアに関しても強硬な言動をしては、もはや停戦はできない。ロシアにとって、戦況によっては核の誘惑があるが、戦局を打開する有効な使い場所や使い方は見当たらない。今後はG7側は中露の分断を図ることになる。第二次世界大戦の時も複雑な構図であったが、ウクライナ紛争も同じ様に複雑である。




byロード



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