拉致問題と日本人妻帰還問題について

拉致問題の存在を知らない日本人はいない。つまり、拉致問題は既に市民権を得ている。一方、日本人妻帰還問題の存在を知らない日本人は多い。つまり、まだまだ認知されていない。


拉致問題は、国家主権に関わる重大事件なので、日本政府の外交課題の柱となっており、トランプ大統領から金正恩に「非核化問題と並んで極めて重要である」とさえ伝えられるに至った。


誰もが想い描く拉致の状況とは、北朝鮮工作員が、夜陰に紛れて忍び込み、海岸線にたたずむ善良な市民を縛り上げ麻袋に詰め込んで、有無を言わさず工作船で連れ去るといった、いわゆるハード拉致である。


ハード拉致の非は、100%北朝鮮にあり、北朝鮮に弁明の余地はない。そのため、両国が歩み寄って妥協点を探り、落とし所を見つけて解決を図ることは困難が伴い、金王朝独裁体制が転覆されるまで根本的な解決は簡単ではない。


そして、拉致問題の中には、主体思想研究会のメンバーなどを言葉巧みに北朝鮮旅行させるように勧誘し、入国後に身柄を拘束するソフト拉致もあり、この責任は99%北朝鮮にある。


それから、日本人妻帰還問題では、北朝鮮を地上の楽園と宣伝するプロパガンダに乗せられて、在日朝鮮人の夫に従って北朝鮮に渡ったが最後、どれだけ当人が日本に戻りたいと願っても叶えられることはない。この問題では部分的に自己決定の要素があるとは言え、95%は北朝鮮の国家犯罪である。


これら、ハード拉致・ソフト拉致・日本人妻帰還は、人権問題という観点からは、シームレスな国家犯罪である。どれも、突然、島流し終身刑となるような重大な人権蹂躙である。


言うまでもなく、ハード拉致・ソフト拉致・日本人妻帰還は、全て解決しなければならない。ただし、現在の金正恩独裁体制が維持された状態のまま、解決の糸口を探るとなれば、日本人妻帰還問題から手掛けることは現実的な選択肢のひとつであると言える。ひとつが動き出せば、全体的な状況が変化することもあり得ると思う。






by ロード





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