オウム事件で死刑執行された井上嘉浩死刑囚

なぜこの時期に執行…?なぜ7人? 慶事・五輪控え年内決着 幹部を先行

http://www.sankei.com/smp/affairs/news/180706/afr1807060068-s1.html

麻原彰晃死刑囚らの死刑執行は、なぜこの時期になったのか。

死刑囚については、共犯者の逃亡中や公判中には執行をしない運用がなされてきた。今年1月、地下鉄サリン事件で麻原死刑囚らの共犯者にあたる高橋克也被告の裁判が終結したことで、このハードルは越えた。

 今年3月には、死刑囚13人のうち7人について、東京拘置所から執行施設のある5拘置所に移送。執行準備の一環であることは明らかだった。

 一方、来年は4月末に天皇陛下が譲位され、5月1日の皇太子さまの即位・改元に伴う行事も相次ぐため、「慶事が続く年の執行は回避すべきだ」(法務省関係者)との見方があった。

 再来年には2020年東京五輪パラリンピックと、京都で開催される「国連犯罪防止・刑事司法会議」(コングレス)が予定されている。欧州を中心に死刑制度反対国も多く来日する国際イベントを控えた時期の執行も、外交上、適切ではないとの考えも広がった。その結果、「年内執行は法務省の命題」(政府関係者)となった。

 9月には自民党の総裁選が予定され、法相が交代する可能性がある。法相によっては執行命令に難色を示すケースもあることから、法務省は過去3人の執行を命じている上川陽子法相下での執行を検討。7月下旬に中央省庁の大型人事を控えていることや、11日から安倍晋三首相が外遊することなども踏まえ、日程が固まったとみられる。

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 執行された7人は事件ごとに選ばれたわけでもなく、裁判の確定順でもない。麻原死刑囚は再審請求中だったとみられ、再審請求が考慮されているわけでもない。上川法相は6日の臨時記者会見で、執行された死刑囚の人選について質問されると「お答えは差し控える」と繰り返した。

 ただ、首謀者である麻原死刑囚のほかの6人は、いずれも教団の幹部だった。教団では疑似国家的な省庁制を導入しており、早川紀代秀死刑囚が「建設省」のトップ、新実智光死刑囚が「自治省」トップであったなど、いずれも省庁トップ。13人を同時に執行するのは「施設設備などの関係上、不可能」(法務省幹部)なため、事件で重要な役割を果たした幹部が先行して執行されたとみられる。

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 テロなど不測の事態への備えはどうか。公安調査庁関係者は「麻原死刑囚が神格化されると、遺骨や遺品などは後継団体の正統性を示すために重要になる」と指摘し、「(遺骨などを奪い合う)内部抗争に警戒が必要だ」と懸念する。

 教団では平成12年、麻原死刑囚の奪還を目的に日本国内で連続爆破テロを計画、自動小銃などを準備していたロシア人の動きが発覚している。

 また、近年の公安調査庁の立ち入り検査で、オウム真理教の後継団体「アレフ」内部に、麻原死刑囚が殺人を示唆的に勧めた教義「タントラ・ヴァジラヤーナ」の説法教材が存在することも判明。警察幹部は「危険な体質は消えていない」としている。






【感想】

オウム事件において、松本智津夫死刑囚始め複数の元幹部の死刑が執行された。死刑執行の背後に多くの政治的理由が存在していた。この死刑執行によりオウム事件は大きな節目を迎えた。


もう何年も昔になってしまうが、井上嘉浩死刑囚の手記を読み心を揺さぶられた。世間から極悪非道の凶悪犯と罵られた人物の言葉とは思えないほど、真摯に受け止め、真面目に反省し、内的世界を見つめて真剣に生きている姿が映し撮られていた。私は祝福は受けたけれど、本当に彼より高い霊性を持っていると言えるだろうかと恥ずかしく感じた。


彼は犯罪史上で類を見ないサリン事件に手を染め、現在の法治国家日本においては、生きる資格のない人間の烙印を押されてしまった。彼は家庭も持てず惨めな人生になってしまった。しかし、無意味な人生ではなかったと思う。彼の魂の叫びの手記から何かを感じる人が、この先、何人も出るに違いない。




by ロード



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